隊長の話・ある日常の風景
2010年04月20日
「歩いてたんだよ」
「なんですか、その話の入り方!(笑)」
「まぁ聞け。歩いてたらな、車道を走る一台のトラックの上に一瞬“鬼”がみえたんだ」
「なんですと!?」
「まずいかな…と思った次の瞬間だったな。すごい勢いで事故ったよ、そのトラック。アームをひっかけて横転したんだな」
「うわっ…」
「すぐさま走っていってな。グシャグシャのなかをかきわけて運転席付近に体つっこんで「大丈夫ですか!」って声かけたら、返事がきた。どうやら意識はあるみたいだな。でも「左足が挟まって痺れて動かない」って言う。あとから人がわらわらきたけど、これは下手に素人が触らない方がいいからみんなくるなって止めてな。一応簡易血圧計はもってるから血圧はかって、救急車の隊員に全部報告して、帰ったのが昨日の昼の話だ」
「なんで簡易血圧計なんかもってるんですか」
「言っただろ。いつ何があるかわかんないから、一応救急と介護の資格もってるって。」
「しかし迅速ですね。動き」
「事故に居合わせるのはこれがはじめてじゃないしな。過去三回ある。おっさんは今回がはじめてだったけどな。救助するならやっぱ若い娘だよな〜。車にはねられた娘さんをさ、ダッシュでお姫様だっこして歩道までもっていって、胸元ひろげてな…ひひひ」
「おとこのこってフケツよ!」
「エロが目的なわけねーだろ(笑)胸元ひろげないと苦しいんだよ(笑)呼び掛けながら血圧みてな。さすがに人工呼吸は必要なかったな。あれでオネーチャンが血まみれでチアノーゼおこして唇ムラサキじゃなきゃラブロマンス芽生えてたかな?」
「すごい立派で徳のある行為のお話をきいてるはずなのにまったくそんな印象がのこらないのがあなた様の話術のすごさですよね」
「ほっとけ(笑)」
「やはり事故は、その“鬼”が仕組んだんですかね?」
「そうだろうな。トラックのおっさんに聞いたら、事故する直前に意識がトンだらしいんだな。そのときもっていかれたんだろう。」
「それは場所に憑いてるんですか?それとも…」
「トラックのおっさんにだろうな」
「ということはまたそのようなことがおきないとも…」
「それはそれ。すべては本人の人生だろ。我々が安易に踏み入れるべきじゃない。あれだけの大事故なのに命には別状なかったんだ。かなり護りも強い人なんだよ。あとは、本人次第だろ。」
「そーですね」
「事故もそうさ。霊障半分、でももう半分はやっぱり因果だよ。本人が日頃から気を付けていれば防げるものさ。気の緩みや油断は霊のせいじゃない。そこにつけいってくるんだよ」
「うーむ。やはり日頃の生き方、在り方なんですねー」
「なんですか、その話の入り方!(笑)」
「まぁ聞け。歩いてたらな、車道を走る一台のトラックの上に一瞬“鬼”がみえたんだ」
「なんですと!?」
「まずいかな…と思った次の瞬間だったな。すごい勢いで事故ったよ、そのトラック。アームをひっかけて横転したんだな」
「うわっ…」
「すぐさま走っていってな。グシャグシャのなかをかきわけて運転席付近に体つっこんで「大丈夫ですか!」って声かけたら、返事がきた。どうやら意識はあるみたいだな。でも「左足が挟まって痺れて動かない」って言う。あとから人がわらわらきたけど、これは下手に素人が触らない方がいいからみんなくるなって止めてな。一応簡易血圧計はもってるから血圧はかって、救急車の隊員に全部報告して、帰ったのが昨日の昼の話だ」
「なんで簡易血圧計なんかもってるんですか」
「言っただろ。いつ何があるかわかんないから、一応救急と介護の資格もってるって。」
「しかし迅速ですね。動き」
「事故に居合わせるのはこれがはじめてじゃないしな。過去三回ある。おっさんは今回がはじめてだったけどな。救助するならやっぱ若い娘だよな〜。車にはねられた娘さんをさ、ダッシュでお姫様だっこして歩道までもっていって、胸元ひろげてな…ひひひ」
「おとこのこってフケツよ!」
「エロが目的なわけねーだろ(笑)胸元ひろげないと苦しいんだよ(笑)呼び掛けながら血圧みてな。さすがに人工呼吸は必要なかったな。あれでオネーチャンが血まみれでチアノーゼおこして唇ムラサキじゃなきゃラブロマンス芽生えてたかな?」
「すごい立派で徳のある行為のお話をきいてるはずなのにまったくそんな印象がのこらないのがあなた様の話術のすごさですよね」
「ほっとけ(笑)」
「やはり事故は、その“鬼”が仕組んだんですかね?」
「そうだろうな。トラックのおっさんに聞いたら、事故する直前に意識がトンだらしいんだな。そのときもっていかれたんだろう。」
「それは場所に憑いてるんですか?それとも…」
「トラックのおっさんにだろうな」
「ということはまたそのようなことがおきないとも…」
「それはそれ。すべては本人の人生だろ。我々が安易に踏み入れるべきじゃない。あれだけの大事故なのに命には別状なかったんだ。かなり護りも強い人なんだよ。あとは、本人次第だろ。」
「そーですね」
「事故もそうさ。霊障半分、でももう半分はやっぱり因果だよ。本人が日頃から気を付けていれば防げるものさ。気の緩みや油断は霊のせいじゃない。そこにつけいってくるんだよ」
「うーむ。やはり日頃の生き方、在り方なんですねー」