ぽえむん「古代幻想」
2015年05月24日
あなたが思うようないい時代ではなかったんだよ
この時代の方がよほどいい時代だ
この時代はまるで天国じゃないか
楽な仕事
美味しい食べ物
自由な暮らし
すぐにお医者にかかれる
きらびやかな服
どんな神様を拝んでもいい
まるで天国だよ
私達が重ねてきた時代はね
そんなものはどこにもなかった
下々の民は上の人間の暮らしにあこがれてあこがれて
すぐに死んでいった
上の人間が歪めば国も歪む
歪みは飢饉になり下々の民が死ぬ
じゃあ上の人間が真面目なら良かったか?
上の人間が真面目だなんてごくわずかさ
みんな欲が満たされたらもっとほしくなるだけで
そのなかで真面目な人間は
悲しみに押しつぶされそうになりながら
泣きながら和合してわずかな願いを叶えるか
泣きながら心を鬼にして政敵を滅ぼすか
上の人間のつらさは下々にはわからないからね
自由は本当はとても怖いものだよ
人間を簡単に狂わせることができる
だから下々の人間は幸せだったのかもしれない
上の人間はどの判断にもかならず犠牲にするものがあったのだから
だから昔はね
神様がすべてだった
神様しかないんだよ
来世に願いを託すしかなかった
それでも神様も私達は護れなかった
下々の民は簡単に信仰を奪われた
氏神を奪われ 征服者の神を押し付けられた
古代からの伝承を紙に残せば殺された
私達は泣きながら征服者が定めた祭祀作法に従い
押し付けられた神の向こうに自分たちの神を拝んだ
それでしかこの日本という国がまとまらなかったのも分かる
分かるけれども・・・・・
だから私は伝えたい
あなたがおかれているその時代の素晴らしさを
大事にしてほしい
自由は宝だ
転落する自由も悲しみを背負って理想を叶える自由もある
そして富は宝だ
多くの富が国に満ちれば
子供達や年寄りが飢えて死なずに済む
つまらぬ病気やケガで命を落とさずに済む
だから大事にしてほしい
多くの上の人間の悲しみと下々の人間の苦渋を
あなたは知らずにその血に刻んで自由を謳歌していることを
あなたの血は継承されてきている
あなたの血はすべてを知っている
気づいたあなたが拓いてほしい
さらにこの国を天国に近づけることを
天国は 本当は天にもないんだよ
天界は天界で地上にはない様々な矛盾や制約がある
神の理想を目指して
天も地も涙を落とし続けている
だから
あなたが拓いてほしい
それを知ったあなたが
あなたが増えて欲しい
理想の国は
感謝のうちに生き
感謝のうちに死ねる国
多くの自由が
愛のために使われる国
つまらない言葉を伝えたかもしれない
どこかの神を名乗ることもできず
あなたの期待や自尊心を満足させられなかったことは申し訳ない
私からの言葉を
願わくば あなたが受け入れてくれることを望む
ぽえむん「竜宮神女5」
2015年05月24日
りゅうぐうに
くさかかりたる
すめらみこ
まないのたきを
ちぎりのしるしと
まつろへし
いまぞききけれ
おくのまに
ひめてぞひさし
ひらくとびらは
もとおやの
みよのひらきの
いわいなり
ぽえむん「狂おしき」
2015年05月24日
なぜ私に呼びかける
なぜ私に求める
私はあなたではない
私はあなたになれない
そんな過去のことなど知らない
生まれる前のことに責任などとれない
誰がこの国をこのようにしたのだ
誰が私たちの国をシロアリ共の餌場にしたのだ
この大いなる神の楽土を
誰が怠惰と貪婪と退廃の泥土にまみれさせたのだ
私は許さない
護れなかった私を
護れなかった償いは
私の血と肉を万に削いでも足りない
多くの思いがからみつく
私は恋慕のしとねで眠る
焦がれているのは私なのかあなたなのか
残る熱情は過去に横たわる
ああ
私は奄美にいるのか
ここはどこなのか
奄美ではないどこかに私はいる
私は呼ばれたのか
それとも逃げてきたのか
見知らぬ土地を私は歩いている
帰るには遅く
戻るには早い
私を呼ぶあなたは
一体どこにいるのか
現し世に折り重ねられる夢は
私を惑わす
私はいつものように苦笑いをはりつけ
鏡を覗き込めば
見知らぬ女が
何とも言えぬ眼でこちらを見据えている
「約束を果たせよ」と
鏡の向こうに指さしてみる