アダン林の幽霊~書籍「南島雑話の世界」より
2011年09月26日
(転載)
いちゅび(イチゴ)山登って いちゅび持ってきれくれちょ
アダン山登って アダン持ってきれくれちょ
名瀬間切伊津部村(今の名瀬伊津部町)で、イチゴやアダンの実が実る季節になると毎年、こんな悲しげな亡霊の歌声が聞こえたという。
「先年大島に凶作あり。島中男女多く餓死するもの多く、(中略)皆壮年の者とても葛子根、百合を食物の上とし、草根、木実、海辺は魚類、あらゆるもの食として命をつなぐ」と、左源太は凶作の模様を記している。
さらに両親が餓死し親族もいない幼い名瀬間切の姉弟に思いをはせる。八、九歳と七歳の姉弟は、野山のイチゴやアダンの実などで命をつないでいたが、数日して餓死した。イチゴやアダンの熟するころになると、二人の歌(本分冒頭)が聞こえてきたという。その歌を聴くときは「村中男女聞もの涙を流しける。誠に聞もすさまじき事也」と左源太。
また「此島米少なければ、甘藷を多く植て第一の常食とす。甘藷不作にして実入悪しければ、島中一統の事にて、其時は蘇鉄を上食として、其外、木の実、草の葉、海苔類を食ふ」と記している。
柳田国男も『海南小記』で「或時の飢饉に男女山に入り、苺や阿檀の実を採って食尽くし、野山にはもう何も食ふ物が無くなって、数十人の者が阿檀の木に首を縊って死んだ」と書いてある。
________
どこにでもある話しで、どこにでもある過去だろう。
私はこの悲しみに涙する。
この悲しみが天の父の愛によって慰められますようにと、祈る。
いちゅび(イチゴ)山登って いちゅび持ってきれくれちょ
アダン山登って アダン持ってきれくれちょ
名瀬間切伊津部村(今の名瀬伊津部町)で、イチゴやアダンの実が実る季節になると毎年、こんな悲しげな亡霊の歌声が聞こえたという。
「先年大島に凶作あり。島中男女多く餓死するもの多く、(中略)皆壮年の者とても葛子根、百合を食物の上とし、草根、木実、海辺は魚類、あらゆるもの食として命をつなぐ」と、左源太は凶作の模様を記している。
さらに両親が餓死し親族もいない幼い名瀬間切の姉弟に思いをはせる。八、九歳と七歳の姉弟は、野山のイチゴやアダンの実などで命をつないでいたが、数日して餓死した。イチゴやアダンの熟するころになると、二人の歌(本分冒頭)が聞こえてきたという。その歌を聴くときは「村中男女聞もの涙を流しける。誠に聞もすさまじき事也」と左源太。
また「此島米少なければ、甘藷を多く植て第一の常食とす。甘藷不作にして実入悪しければ、島中一統の事にて、其時は蘇鉄を上食として、其外、木の実、草の葉、海苔類を食ふ」と記している。
柳田国男も『海南小記』で「或時の飢饉に男女山に入り、苺や阿檀の実を採って食尽くし、野山にはもう何も食ふ物が無くなって、数十人の者が阿檀の木に首を縊って死んだ」と書いてある。
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どこにでもある話しで、どこにでもある過去だろう。
私はこの悲しみに涙する。
この悲しみが天の父の愛によって慰められますようにと、祈る。
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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 15:21│Comments(1)
│奄美スピリチュアル・オカルトエピソード
この記事へのコメント
こんにちは。
私も島嶼にいた際に、伺った頃があります。
その島でも、何度も飢饉が襲い、餓死者がでて、
慰霊碑もあります。
なんだか、とてもせつないです。
日本では餓死は少なくなりましたが
いまだ途上国では飢餓に苦しむ人々、
とくに子どもがいると思うと心苦しくなります。
私も島嶼にいた際に、伺った頃があります。
その島でも、何度も飢饉が襲い、餓死者がでて、
慰霊碑もあります。
なんだか、とてもせつないです。
日本では餓死は少なくなりましたが
いまだ途上国では飢餓に苦しむ人々、
とくに子どもがいると思うと心苦しくなります。
Posted by iio at 2011年09月27日 14:43
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