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親のこころ子しらず

2011年07月18日

あるとき、母が笑いながら話してくれたことがある。

「お前が生まれたとき、お父さんは病院に見にこなかったのよ。お兄ちゃん二人のときはすぐにかけつけたのに、お前のときは女の子はいらんとかいって、3日たってようやく私を見舞いにはきたけど、お前がいる新生児室は素通りしたのよ。結局お父さんがお前を見たのは退院して家に帰ったときだよ。お父さんは薄情だよねー」

それをきいて父の首をしめたのはいい思い出だ。

もう一つ。母に私の名前の由来をきいたことがある。

「ゴメン、あんたの名前は私たちが付けた名前じゃないの」

男の子が生まれるとばかり思っていたのにいらない女の子が生まれてしまい、どうしても名前を思い浮かばず、しかし出生届の期限がきてしまったので、仕方なく市役所から公衆電話で叔母さんに電話をして、適当に知ってる人の名前をもらったのだという。

道理で小さい頃から「梨乃」という名前に違和感があったわけだ!と合点した。

おそらく、「本来つけてもらえるはずの名前がつけられなかった」からだろう。ちなみに師匠によると本当の私の名前は「真理子」だそうです。たしかにこの名前の方がすさまじくしっくりくる!


お茶目な両親だなと思っていた。ずっと、その優しい嘘を信じていたのだ。



30になって、上唇の奇形(昔のみつぐちですね)の手術跡が目立ちはじめた。私はものごころついたときからこの顔なのでまったく気にしていないが、ある日母が言った。

「あんたの口、目立つねぇ。お金さえあれば整形うけさせるのにねぇ・・・」

その母の目を見たときに、何故か一瞬ですべてのピースがつながった。

なぜ父は生まれたばかりの私を見に来なかったのか。

なぜ母は私の名前を考えられなかったのか。


それは、親としての「自責」だったのだ。




父と母は私には「女の子はいらなかった」と言っていた。しかし、一度だけ口を滑らせたことがある。

「お父さんはずっと女の子を楽しみにしててね」



両親は待望の女の子の顔に奇形があったとき、どこまでも我が身を責めたのだろう。

その悲しみを隠して、子供がそれを傷としないように、「女の子はいらない(だから女の子という自意識にとらわれることはない)」と私を育てたのだ。

おかげで私はのびのびと育ち、自分の外見もまったく気にしない人間に育った。メタボは気になるがこれは自己責任ですね。


しかし最近、口の奇形の跡をなんとかすべきだろうかと思うときもある。

私にとってはこの傷跡は両親からいただいた愛情の証みたいなものだが、両親にとってそれは見るたびにつきつけられる罪なのだろう。

一度ある社長さんが私の顔をマジマジと見て「その口、治したければお金出すよ」と言ってきたたときがある。

一年くらいすぎてなにげなくそのことを母に話したら、母は真剣な表情で「今度そういう話がきたら絶対に断っちゃだめよ!」と私に念押しした。

母はやはり気にし続けているのだろう。当人が思っていなくとも、親としての悲しみがあるのだ。


この口で生まれたのも自己責任だし、親になんの責任もないが、それを親にわかっていただくには、やはり私がもっと力をつけないといけないのだと思う。




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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 11:57│Comments(14)つぶやき
この記事へのコメント
いい日記ですね。

いろいろ言い出したら上を見上げても、下を見下ろしてもきりがないですからね。
Posted by 一般人 at 2011年07月18日 12:41
僕の名前も 叔母の初恋の人の名前で叔母がつけたらしいです

メッチャいい加減(笑)
Posted by 宮崎 県太郎 at 2011年07月18日 12:41
うちの父は、男の子供がほしかったらしく、『龍之介』と名付ける予定だったらしいです。産まれたのは私。ちなみに、あとに三人女の子が続きます(笑)


産まれた孫が男の子と知った時は、おお喜びしてたなぁ。
Posted by ぶどうぐみ at 2011年07月18日 13:57
親がどうしてそういう行動をとったのか、本心を知らずに親をうらんだり、自分に自信が持てなかったりすることがあります。よくよく聞いていくと思いもよらない理由だったりすることも。
だからあまりマイナスのイメージを持たないほうが良いのだと思います。たとえ客観的に見てどのようなひどい親であったとしても、この世に自分を生み出してくれた…その事実は感謝してもしきれない大恩です。それが納得できると本当の意味で自立できるのかもしれません。
ちなみに…私の名前は祖母を深く愛していた祖父が、祖母の名前をひっくり返して「子」をつけたものですよ(笑)
Posted by 時計ウサギ at 2011年07月18日 13:59
私の友達の美人三姉妹の名前が、上から





美香





由香







加奈子




……。




なぜ、香シリーズを辞めたのか…気になる…(笑)
Posted by 土佐っ娘☆彡 at 2011年07月18日 16:10

それはきっと 途中から『尻取りシリーズ』に変わりましたね(笑)
Posted by 宮崎 県太郎 at 2011年07月18日 17:13
↑じゃあ次は〜


こ、こ、コナン(笑)

で、打ち止め(´ψψ`)
Posted by 土佐っ娘☆彡 at 2011年07月18日 17:27
俺の親父の友達に、長男なのに次郎ってやつがいる。
これはなぜだ?
Posted by 一般人 at 2011年07月18日 20:44
通称「さんじゅうし」
書けば「三重子」
読めば「みえこ」
三女で3月30日生まれ。

4女の名は忘れた。

大伯父の名は「じろう」
跡取りが出来ず仕方なく弟に家督を譲ったら出来た子。
跡取りでないから「じろう」
でも字は「治郎」
「治郎将智」

結局家は潰れました。
Posted by tairon at 2011年07月18日 21:09
うちの主人はアメリカ人のハーフです。
日本国籍取得のため、帰化する為に名前を変更する事に
その時の名前が「宇以里」それじゃあんまりだと
いうことで、主人の祖母が名前を適当に変更したそうです。
「まさひろ」って適当に付けられたと
お陰で名前占いでは、字画は最悪(;;)と
言ってました。
Posted by あーちゃんママ at 2011年07月18日 21:17
名前で こんなに笑えるのか…

新たな発見(笑)
Posted by 宮崎 県太郎 at 2011年07月18日 21:59
そういえば麒麟(お笑いコンビ)の田村さんが、村田さんをお嫁にもらう時に


お好み焼きみたいにひっくり返して、田村にせんかって言ったみたいですね


って、名前から苗字に話題がいっても〜たぁ〜( ̄ロ ̄;)
Posted by 土佐っ娘☆彡 at 2011年07月18日 22:24
土佐っ娘さん、おもしろい!!

小学生のとき、名前を後から読むのが流行って…
「みゆま のもし!」
とか
「とこま みるな!」(笑)とか
「こきみ だまし!」とか呼び合って笑ってたんですが、
最高だったのは…いま〇〇市で警〇官してる健ちゃん!

「ちいんけ しがえや」でした。
健ちゃんに会ったら、私は迷わず↑このニックネームを叫びます。(笑)
Posted by 時計ウサギ at 2011年07月19日 01:08
僕は大輔です。(笑) 姓名判断のおっちゃんかおばちゃんに相談した名らしいです。
Posted by 風小僧 at 2011年07月19日 11:49
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