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ぽえむん「水の宮より」

2015年11月14日



神の道を驕ってはならない

神の道は自らを偉くするものにあらず

ただただに神に従う仕(つかまつ)り人なれば


霊と人とが重なる世界に惑うなら

そなたの心いまだ水面に揺れる木ノ葉なり

そなたの弱さ心の脆さ欲心

神は救わぬぞ

救うはそなたのみぞ

神はただ導くのみぞ

神は道を指し示すのみぞ

神に頼ってはならない

神にすがってはならない

神は泣きながら

そなたを導くのぞ

神の導きをきちんと聞きて従えよ

従わぬは神のせいではないぞ

従わぬはそなたの驕りぞ欲心ぞ

驕り欲心の穢れを落とし落として

ひたすらに神の慈愛に向かいては

世の人に神の思いを

その生き様で示すなら

そなたは神の僕なり



とうとがなし

とうとまいらせ

とうとがなし

とうとまいらせ







  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 23:52Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「道久しき」

2015年10月01日



目の澱を取り除けば

すべては移ろう夢

何を思い何を為すか

それのみが真



弱き心を責めはしない

傷つくことでしか得ぬものがある

だがそこに留まり過ぎてはならない

川は常に流れているのだから



多くの命潤す水であれ

多くの命潤す波であれ



個の痛み超えて

いま妙(たえ)なる道へ



君落とす涙に

誰かの深き祈り宿りし











  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 01:12Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「真名井の滝」

2015年09月20日

龍宮に

くさかかりたる

スメラミコ

真名井の滝を

契りの証と

まつろえし


龍宮に

かかりてひさし

幾年(いくとせ)の

誓いの道を

今ぞ行くらむ



ここなたに

眠る幾多の

姫巫女の

願い重ねて

龍宮の

みずは煌く

澄みは難(かた)けり



難けし道を

十重二十重(とえはたえ)

織りて重ねて

祈りて祀る

神と民との

絆糸

濁り許さぬ

天道の

誓いの証が

地に降りて

潮が満ちれば

宣り挙げよ

続く限りの

ウナリガミ




龍宮に

誓いを立てて

幾久し

神と民との

絆歌

献じて尽くす

この道に

女の祈り

国を育てよ




この奄美島

国を安んじ

民を安んじ

世を安んじ

護れし島なり

誓い起こせよ

この国の

成り立ちよりの

女神尊べ






















  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 22:32Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「さきぶれのみち」

2015年09月10日




さきぶれ

あまんじ

くものまにまに

うけてながれむ

こころのこえ

ききてうごけり



よのけがれ

みにうけて

にじむいたみは

てんかいの

おやがみさまの

なみだみち



さきぶれを

いわいておこす

ときのこえ

むくいもとめず

たたかわば

やがてきたれる

あけぐもの

さきにたたえる

おおおやの

こうみょうこそが

むくいなれ




うつくしき

ねいろでみたせ

あめつちを

さきぶれのみち

いろどりわするな










  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:41Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「まひこの話」

2015年09月10日




まひこの本当の名前は知らない

名前は母と父と兄弟と同胞とムラの外で使う名前がそれぞれ違う

母は「小さい子」と呼び、

父は「三番目の息子」と呼び、

兄弟は「すばしこい小人」と呼び、

ムラの同胞は「ヤマワキの三番目の子」と呼び、

ムラの外での呼び名は「ワキヤ」

だった。

しかし私の友人や親しい仲間は、私を

「まひこ」

と呼んだ。

本来はヒコは日子であり、王族しか使ってはならないが、

私は冗談でまひこと呼ばれた。



ある日、私はムラから選りすぐられた同胞の仲間たちと共に、

ある戦いに召集された。

私達の使命は、国の王族のなかで最も美しいといわれる、
姫君の護衛だった。

姫君はこの国のシンボルでもあり、

敵国はしつこく姫君を狙ってきているという。

姫君を直視することは許されなかったが、

姫君の眩しさは、どのように被り物やシラヌノで覆っても、それを透す薫りを湛えていた。

姫君をお守りすることは、国をお守りすることだった。




私達のムラは特別なムラであり、忠臣の末裔だった。

(アマミキョ注・本当は王族の傍系)

だから私達は、私達の血に誇りを持っていたし、だからこそ、普段は無官でも、勅命があればすぐに戦えるよう、
常に備えていた。

朝廷の争いで汚れぬよう、わたしの一族ははるか昔の王命により、朝廷から離れ、

勅命があるまで民にまぎれている。

だから、私がまひこと呼ばれるのは、

私がムラオサの代位の家の人間のなかで、

もっとも戦いに優れているからだった。




姫君は多くの敵国から狙われていた。

私達のムラに勅命があったのは、姫君を匿うためだった。

姫君は神の気が一際強く、先読みの神の神姫だという。

私達は姫君をなにがあってもお守りすることを天と王と姫君と祖霊に誓った。


同胞のシジが私に笑顔で話しかけてくる。

シジは一族のなかでは、私の従兄弟になり、弓ではムラ一番だ。

シジは、敵を早く射抜きたいと笑った。

一族の護衛は五人から七人。交代でつねに姫君から離れない。






私は姫君を守り通した。

戦ったのか、戦わずにすんだのか、

もう記憶も定かではないけれども、

私の一族は、姫君を守り通した。

姫君を守れた。

それが私の誇り。

姫君はやがてこの国の伝説になった。

王族の名は消えて、

国の名前は消えても、

姫君の名は残った。

喜ばしき、

喜ばしき。



いま、姫君はどうなさっておられるのだろうか。

当時はオオヒメとお呼びしていた姫君。

一緒に守った同胞たちは、

今も私のそばにいる。












  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:40Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「橘」

2015年09月10日





美しさを何よりも愛する魂が

何故に戦わねばならなかったのか

多くの魂を生かしめる道に

荒魂(あらみたま)の意味を知る



やがて過ぎ行くこの時

今を問うな

先を憂うな

過去に患うな

向くは天





一枚ずつ葉を落として数える

天の川の願い

円環の螺旋が奏でる

交わる音(ね)

君に届け

皆天帝の子









  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:33Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「追憶」

2015年08月14日

それぞれの想いと

それぞれの夢を乗せて

飛ぶ白鳥



守りたかった

守れなかった

守り通せた

守るべきものを

抱きしめて

抱きしめ続けて

はるかな輪廻を

繰り返して

今またこの地に立つ





女神のカケラが

それぞれの

魂(たま)に宿りて

奄美島

選びて久しこの時に

花開け

取り戻す過去は

多くの魂(たま)の

導きと

願う道行(みちゆき)

未来に繋ぐ

ひと時の

天人の夢















  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 23:25Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「花はそこに咲く」

2015年06月26日






あなたはずっと探し続けていた

一輪の花

あなただけの花




きっとあるかもしれないと

あなたは力の限り走った

でも遠くのどこかで見つけた花は

みんなあなたの求めるものではなかった





そう

もうあなたは気づいているはず




あなたが本当に欲しかった花は

すでに咲いている花ではなく

あなた自身が咲かせる花

花の姿をとった

あなた自身の輝き



だから

花はそこに咲くのです

どこでもなく

あなたのそばに

あなたの夢から

あなたの願いから

あなたの涙から

あなたの勇気から




だから知ってほしい

あなたが創る花こそ

あなたの使命

あなたの創る花を

待っている人がいることを




あなたの花が

誰かを照らす

その愛は

仏性(神性)のかがやき

私達は誰もが花を咲かせる











  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:19Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「天に還す道」

2015年06月19日






あなたの重荷を

あなたの苦悩を

天が見ている

天が見ている



それはあなた自身の招いたものかもしれない

それはあなた自身の執着かもしれない

それはあなた自身の因果かもしれない

しかし



あなたが辛いときには

あなたの魂の同胞が

共に涙を流している

そのことを忘れないでほしい




一つ 方法を授ける

祭壇の前で

心を整えなさい

深く深呼吸して

心の波立ちを鎮めて

そして祈りなさい

祈りの時に

ありありと描いてほしい姿がある

あなたから天に大宇宙に仏に

感謝と報恩の光の柱が立っている姿

よいか

天から大宇宙から仏から

いただくばかりであってはならない

あなた自身も柱を立てよ

感謝と報恩の柱を立てよ




そのとき

あなたの心には

まださまざまな葛藤が残っているかもしれない

それらの

悲しみや怒りや恨み

病や苦悩

いまのあなたでは理解できないそれらの重荷を

あなたの感謝と報恩の道から

天に 大宇宙に 仏に

預けなさい

あなたの葛藤を光で包んで

感謝と報恩の柱から

天に 大宇宙に 仏に

預かっていただくのだ



「因果の道に
還るべきを還し
仏の御心のままに
すべてが成されますように」






あなたの願望を乗せてはいけない

あなたの都合のいい未来を願ってはいけない

ただ、還しなさい

天へ 宇宙へ 仏へ

あなたの背負うものすべて

仏の目で見てみるがよい

天意はあなたを待っている






あなたを愛し



あなたを信じ



あなたの未熟さに涙を流す



あなたの精進を喜び



あなたのすべてである






無我なる道こそ

天道であれ

















  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 11:07Comments(2)ぽえむん

ぽえむん「龍神とうとめ」

2015年06月17日

南の杜の赤龍女

大山媛の命(めい)により

主(あるじ)の国に集い来よ

主の国の根の底に

大山媛のあずかり知らぬ

禍(まが)りし熱の病(やまい)あり

大山媛の持たれたる

おろちのひれの御業(みわざ)なら

清めの御業であればこそ

龍神おさえる理由なし



此度(こたび)の国の根の底の

熱は禍りし病熱(やまいねつ)

悪しき者等が清めの御業に

穢れし細工加えたり



なれば集えよ南の杜の

アメキ纏いし赤龍女

清めのアメ持てヒレ振らば

穢れし熱を鎮めたり







龍宮の奥座におわします

龍皇 オオワダツミノカミに

謹んで申し上げ奉ります

我ら アマツミヤの民

祈り歌祈り舞奉納し

アメキの種を穂高に積み上げ

龍女様方に捧げます

なにとぞに

なにとぞに

主の国の大禊(おおみそぎ)

滞りなく

涙少なく

潤い多く

大主(おおあるじ)の国民(くにたみ)の栄えの源となりますように

大山媛様の清めが

穢されることなく成されますように

そして願わくば

さらにさらに大主の国民の栄えの源となりますように







赤龍女

主の国を

洗いしヒレは

涙濡れ




























  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:49Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「ヨタレ」

2015年06月12日



このみさし

てんもんの

みずをうち

みずをさし


はかなくちるも

うけてながれむ

しきしおの

わだつみのうた

のりとわば

かかけいでてむ

つきのこえ



くものまにまに

のぞむつき

あるじのこえを

とどけつなぎて

おろすなり











  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 13:51Comments(2)ぽえむん

ぽえむん「古代幻想」

2015年05月24日



あなたが思うようないい時代ではなかったんだよ

この時代の方がよほどいい時代だ

この時代はまるで天国じゃないか

楽な仕事 

美味しい食べ物

自由な暮らし

すぐにお医者にかかれる

きらびやかな服

どんな神様を拝んでもいい

まるで天国だよ




私達が重ねてきた時代はね

そんなものはどこにもなかった

下々の民は上の人間の暮らしにあこがれてあこがれて

すぐに死んでいった

上の人間が歪めば国も歪む

歪みは飢饉になり下々の民が死ぬ

じゃあ上の人間が真面目なら良かったか?

上の人間が真面目だなんてごくわずかさ

みんな欲が満たされたらもっとほしくなるだけで

そのなかで真面目な人間は

悲しみに押しつぶされそうになりながら

泣きながら和合してわずかな願いを叶えるか

泣きながら心を鬼にして政敵を滅ぼすか

上の人間のつらさは下々にはわからないからね


自由は本当はとても怖いものだよ

人間を簡単に狂わせることができる

だから下々の人間は幸せだったのかもしれない

上の人間はどの判断にもかならず犠牲にするものがあったのだから




だから昔はね

神様がすべてだった

神様しかないんだよ

来世に願いを託すしかなかった

それでも神様も私達は護れなかった

下々の民は簡単に信仰を奪われた

氏神を奪われ 征服者の神を押し付けられた

古代からの伝承を紙に残せば殺された

私達は泣きながら征服者が定めた祭祀作法に従い

押し付けられた神の向こうに自分たちの神を拝んだ


それでしかこの日本という国がまとまらなかったのも分かる

分かるけれども・・・・・






だから私は伝えたい

あなたがおかれているその時代の素晴らしさを

大事にしてほしい

自由は宝だ

転落する自由も悲しみを背負って理想を叶える自由もある

そして富は宝だ

多くの富が国に満ちれば

子供達や年寄りが飢えて死なずに済む

つまらぬ病気やケガで命を落とさずに済む




だから大事にしてほしい

多くの上の人間の悲しみと下々の人間の苦渋を

あなたは知らずにその血に刻んで自由を謳歌していることを

あなたの血は継承されてきている

あなたの血はすべてを知っている





気づいたあなたが拓いてほしい

さらにこの国を天国に近づけることを

天国は 本当は天にもないんだよ

天界は天界で地上にはない様々な矛盾や制約がある

神の理想を目指して

天も地も涙を落とし続けている

だから

あなたが拓いてほしい

それを知ったあなたが

あなたが増えて欲しい

理想の国は

感謝のうちに生き

感謝のうちに死ねる国

多くの自由が

愛のために使われる国







つまらない言葉を伝えたかもしれない

どこかの神を名乗ることもできず

あなたの期待や自尊心を満足させられなかったことは申し訳ない

私からの言葉を

願わくば あなたが受け入れてくれることを望む









  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 22:51Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「竜宮神女5」

2015年05月24日



りゅうぐうに

くさかかりたる

すめらみこ




まないのたきを

ちぎりのしるしと

まつろへし




いまぞききけれ

おくのまに

ひめてぞひさし





ひらくとびらは

もとおやの

みよのひらきの

いわいなり





  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:58Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「狂おしき」

2015年05月24日





なぜ私に呼びかける

なぜ私に求める

私はあなたではない

私はあなたになれない

そんな過去のことなど知らない

生まれる前のことに責任などとれない





誰がこの国をこのようにしたのだ

誰が私たちの国をシロアリ共の餌場にしたのだ

この大いなる神の楽土を

誰が怠惰と貪婪と退廃の泥土にまみれさせたのだ

私は許さない

護れなかった私を

護れなかった償いは

私の血と肉を万に削いでも足りない



多くの思いがからみつく

私は恋慕のしとねで眠る

焦がれているのは私なのかあなたなのか

残る熱情は過去に横たわる




ああ

私は奄美にいるのか

ここはどこなのか

奄美ではないどこかに私はいる

私は呼ばれたのか

それとも逃げてきたのか

見知らぬ土地を私は歩いている

帰るには遅く

戻るには早い

私を呼ぶあなたは

一体どこにいるのか





現し世に折り重ねられる夢は

私を惑わす

私はいつものように苦笑いをはりつけ

鏡を覗き込めば

見知らぬ女が

何とも言えぬ眼でこちらを見据えている




「約束を果たせよ」と

鏡の向こうに指さしてみる













  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:57Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「恋している」

2015年05月15日




いつになれば君に追いつけるのだろうか


薄れゆく記憶の向こうで

君が微笑んでいる


僕はいつも君の面影を追っている

何度も

生まれ変わっても

君はどこにいるのだろう

僕はいま女になった

しかし

僕はやはり君を探している



あの満開の花の下で

いつか再び出会うと

僕は信じて

待って

待って

待ち続けて

いまもいる




いとしき君よ

薄れゆく記憶の向こうで

君が僕に微笑んでいる

いつか

君に花をあげたい

君に思いを伝えたい

君よ

僕は女になった

君はいまどこにるだろう

僕は君を探す

いつまでも

待ち続けている







  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 20:37Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「空に飛ばした夢」

2015年05月13日



僕は人がこの地上に縛り付けられているのは間違っていると思っていた。

僕はどんな嵐でも人が安全に航海ができる潜水艇を作りたかった。

誰もが楽しんで風を受けて空が飛べる大きな竹飛行機を作りたかった。

僕の夢をほとんどの人々は嗤った。

しかし僕は諦めなかった。

やがて、僕の夢についてきてくれる数人の友人たちがあらわれた。

潜水艇の実験の日、僕はもっとも仲のよかった友人・作造にその役目を頼んだ。

作造は笑顔でこたえた。

作造は潜水艇に入り、そのままあがってこなかった。

引き上げられた時には、作造は眠るように死んでいた。

一酸化炭素中毒だった。



竹飛行機の実験の日は、潜水艇の実験の翌日だった。

竹飛行機の実験も、海の上だ。

落ちた僕を拾えるよう、海には船が出ている。

その船には、僕の夢を支え続けている友人の千恵、幸雄、権、鉄志が乗っている。

そして、昨日亡くなった作造の遺体が、僕の実験を見届けてくれるようにと、寝かせられている。

空に張った板の階段を走る。

いままでのことが走馬灯のようにすぎる。

僕は階段の先端においた竹飛行機に乗って、思い切り空を蹴った。

飛ばした。

僕は風になる。

ああ、やはり空はいいものだ!!

多くの人が、この喜びを味わえたら、どんなにいいだろう!

船の上で、みんなが喜んでいるのが見えた。

僕は何度も船の上を旋回し、自由に大空を駆けた。

しかし、その瞬間、風向きが大きく変わった。

なんとか態勢を立て直そうとしたが、無理だった。

僕は海に落ちた。

落ちた海の中はとても綺麗だった。

海のなかで僕は考える。

今回の実験は成功だ。当初の予測に比べたら飛距離も安定性も申し分ない。

もっといろんな風向きに対応できる一層の安定性の向上と、竹飛行機の軽量化も考えないといけない。うまく風に乗れてさらに少しでも安全に飛べるにはもっともっと改良が必要だ。

もっと海の中にいたかったが、みんなが心配するといけない。

海上に顔を出したら、船の上のみんなが何とも言えない顔で歓声をあげていた。

船まで泳いでよじ登ると、千恵が手を貸してくれた。

僕はその細く少し力を入れたら折れてしまいそうな指に、少しだけ僕の熱をこめた。

千恵の目は、僕に無言の熱を返してくれる。

この夢が叶ったら、僕は千恵に思いを伝えたい。

それまで、僕の思いに気づかぬふりをして、友人として僕を支え続けてくれる千恵。

船にあがると、みんなが拍手でずぶ濡れの僕を迎えてくれた。

鉄志が無線機を握り締めて、嬉しそうに僕にまくしたてる。

「いま、あちこちから、融資の申し出が殺到してるんだよ!聞こえるだろ!」

鉄が抱きしめるように抱えている無線機の向こうから、ひどい雑音にまぎれて、会社名を名乗るいくつもの声が、それぞれ出せる金額を叫んでいた。

竹飛行機は、陸の多くの人に見られていたらしい。

僕たちは何度も何度も頭をさげて回った。その時には、誰も聞いてもくれなかった。

今は、先を争ってうちが金を出すからうちと契約してくれと言ってきている。

無言で幸雄が手ぬぐいとサイダーを渡してくれた。

千恵が、作造の遺体に優しく語りかけていた。

「サク、あの無線聞こえるだろ?健坊の竹飛行機、すごかったよね。あれをみんな見てたんだよ。サク、健坊の夢がみんなに認められはじめたんだよ、私達の夢だよ」

僕は眠ったままの作造に声をかけようとしたが、できなかった。

涙を流すのは今じゃない。僕たちの夢が実現した時だ。

僕は顔を大きく拭ってサイダーを流し込む。

今の僕の顔は、誰も見ないでほしい。



潜水艇と竹飛行機の夢。

叶うまで僕は諦めない。

この夢が馬鹿げているなら、

笑いたい者は笑えばいい。

僕の志のために命を尽くしてくれた作造に、

僕は夢の実現で応えるのだ。












  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 23:05Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「戦いのあとに」

2015年05月05日




どれだけのものを犠牲にすれば

夢は叶えられるのか

ひと時の戦いを繰り返し

繰り返し

まだ理想には届かない



天に問うて

自分の胸を叩いて

友の亡骸を抱いて

やがて力尽き 骨になり

また生まれ

また歩き出す

そして戦う





せめて

この志のなかにも

仁愛の熱を

正しいモノと正しくないモノで

ふるい分けされるには

世界はあたたかすぎる

世界は弱さとゆらめきと

それでも優しいぬくもりに満ちているから




私が斬ってきた敵にも家族がいた

護るべき理想があり

友があった




ああ

あとどれくらいのものを犠牲にすれば

私はあの国に届くのか

天の国

私とあなたの理想に




すべての想いを呑んで

染まる青

いつか叶いたまえと願う

大いなる和の国





  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 16:31Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「痛みの原因」

2015年05月03日




腫れた足を撫でさすり

受け止めるにはあまりに辛すぎた道を

振り返る


私は私を理解できてはいない

押しつぶされた理想と

どこまでも重ねられた人格の澱が

セピア色の水面に揺れる


ああ

たくさんの突きつけられる指先は

私にたくさんの希望を求めるが
 
私にはそれを叶える術もなく



しかし

私は私を知ることを諦めない

私の内なる光は

過去の翳りをも超えて私を照らすから



突きつけられた指先に目をこらす

指先はすべて私の指だった




私を受容せよ






  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:23Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「導きの民」

2015年04月30日



導きの民

導き手となりて

多くの惑える者等を

導かんとす

導きの民

天の慈愛忘る勿(なか)れ

天の愛は

そなたらの志に宿らば

愛によりて導け

愛なくば智慧なし

智慧なくば勇気なし

勇気なくば克つ道なし

克たぬ道に向上なし

向上なき道に天道なし

そなたの心に天道持たば

導けよ

彼と我とをつなぐ道

そなたも彼らも円(まろ)き玉

夜空彩る煌きの

命が地に降りこの時を

愛と慈悲とを学ぶため

修行の肉持つ円き玉

肉身(にくしん)離れて玉と見よ

いずれは戻りてこの宇宙(そら)を

彩る奏でるその音色

そなたら元の身 玉なるぞ

天道受けて共鳴し

この地で行う肉身の

愛と慈悲との音色こそ

宇宙(そら)に輝く音色なり



地上の音色を磨くなら

導きとなりて世を照らせ

そなたら闇夜を照らす道

闇夜を照らす星となれ

やがて戻りし大宇宙(おおぞら)に

仏の夢が満てるかな









  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 01:14Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「竜宮神女4」

2015年04月20日



美しい言葉を使ってほしいのです



言葉はあなた自身を表すのだから

あなたの心の言葉

あなたの口の言葉

それがあなたの魂なのです

心の言葉口の言葉で

あなたが嘘を重ねたり

あなたが人を貶めたり

あなたが人を裁いたり

あなたが人を傷つけたり

あなたが自分を卑下したり

あなたが何気なく使う口ぐせ

あなたがふとつぶやく言葉


それらはすべて天の御柱(みはしら)に記録されています



よいですか

あなたがあなたという人間を正しく知りたいと思うのなら

心で思った言葉

口に出した言葉

それらをすべて並べてみてご覧なさい


それらをすべて並べて観た時に

美しいか

醜いか

その結果があなた自身の魂の境涯を表すのです


ですから

心で語る言葉を点検しなさい

口で語る言葉を点検しなさい

その言葉は美しいか醜いのか

言葉はあなた自身を創り

あなたの周りの世界を創り

あなたの子供や孫また来世にまでも繋がります

だから言葉を大切にして

美しい言葉を奏でてほしいのです



あなたの心と口が生み出す言葉が

優しさに満ちたものとなりますように

あなたの心と口が生み出す言葉が

癒しに満ちたものとなりますように

あなたの心と口が生み出す言葉が

理解に満ちたものとなりますように

あなたの心と口が生み出す言葉が

積極性に満ちたものとなりますように

あなたの心と口が生み出す言葉が

祝福と奉仕に満ちたものとなりますように

あなたの心と口が生み出す言葉が

生きとし生ける者への肯定に満ちたものとなりますように



そのために私達はいるのです

どうか心乱れ言葉乱れ口元が重く沈む時には

私達のことを思い出してください





七色衣(ころも)の舞いにして

歌と踊りの微笑みが

満てる祝いの心こそ

世界に向けし願いかな

微笑みが清め歌

自ら清め世界を清め

微笑みの舞いを広げたき

微笑み結ぶ言葉こそ

七色衣の舞いなれば

言葉で創れよ七色の

自他を清める祝い道

竜宮神女の七色舞いが

そなたの祝いに神力(カミ)降ろす










  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 01:01Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「和歌もどき再び」

2015年04月20日

おとどのに

くさかかりたる

すめらみこ

わすれてひさし

たみのむなはら






よびてこたえず

かたりてとどかず

いくとせいくよをかたむけて

こらのまどいをただながめ

おろせどゆがめてうけもせり

せいひつのまにあわれがみてり



おおおやさま

おおおやさま

まちてこがれる

おおみぬし




なにとぞに

なにとぞに

なげきのかみらをすくいたまえと

てんちのねがいがあふれてこぼれ

ほしぼしさえもまたたけり




まちねがいたる

このとき

おおいなるみち

なみだばしかけて

わたしとおそ








  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:48Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「竜宮神女3」

2015年04月02日

竜宮の宴は

宴を見せているだけ

神々はつねに祝っていると思うか





神々は働いている

神々は戦っている

神々は泣いている


愛し子がたくさんたくさん助けを求めてくる

願う声が聞こえる

ただ座して観ていると思うか

それを横目に神殿に鎮まっているように見えるか




穏やかなる姿しか見えぬのなら

その目の澱を濯うが良い

只人よ

お前が女なら

母の痛み母の労苦が分かろうか

与え支えし者こそ

光当たらぬとも

神近き



だから報い求むな

母が報い求めて子を育てるか

それが神の思いなら

神を敬う者等も倣いて

報い求むな






与え育て導きて

見守りし思い幾年(いくとせ)を

重ねて絆が「信仰」と

呼ばれし日々もありしかな







  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:18Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「水晶の宮2」

2015年03月21日


老婆が孫に語っていた

「この国に生まれたことを誇りに思いなさい

この国は多くの神様方が治められるとても素晴らしい国

私達の神様が私達の為に

天の神様に祈ってくださっている

だから神様のお守りをいただいている私達も

下の人間を慈しみ下の人間のために祈るんだよ

上の人間を敬い上の人間に感謝して祈るんだよ

この仕組みは神様がつくってくださった仕組みだからね

神様からいただいた仕組みをきちんと重ねれば

かならず神様がお前を素晴らしい方向に導いてくださるからね

神様はいつもいつも見ておられるんだよ

天に輝く太陽はあれは神様の目なんだよ

夜に光る月も神様のもう一つのお優しい目なんだよ

だから神様方はいつもいつも見ておられるんだよ

だから透明な心で生きなさいね

あの海のように澄んだ心であればあるほどに

神様方がお前の生きる道を指し示してくださっているのがお前にも見えるから

心がにごっていたら神様のお示しが分からなくなるよ

いいかい

欲を持つと神様に嫌われてしまうよ

嘘をつくと神様に嫌われてしまうよ

神様に好かれるお前であるように心をいつも透明にしなさい

つらいときや悲しいときや怒りで心がにごってどうしようもないときは

海を眺めなさい

海はお前を清めてくれるから

清めていただいたら海に感謝して

お前も誰かを清められるように生きなさい

清めの力は繰り返しの波の力だよ

清めの力は長く帯を引く風の力だよ

だから一度の清めが成就しないからと諦めてはいけない

波のように風のように

繰り返し繰り返し 長くながく自分を清め続けなさい

お前が透明な心でいることが誰かを清めることになるんだよ

だから透明な心でいなさい

透明な心に神様のお守りが宿るんだからね

神様はいつもいつもにお前を見ているよ」




国の記憶はなくなれども

継いでほしい想いがある

かつて南西諸島にあった国

ニライカナイの神々が

復活の時を祝うかな












  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 11:24Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「水晶の宮」

2015年03月21日



その国のことを忘れても

その願いは忘れないで欲しい





かつてあったその国は

すべての女性が気高さを湛えていた

すべての女性は神と通じることができるとされた

権威ある祭祀王は七人の女王で

交代で一人が神託を受ける役となり

その神託の解釈で国の方向性を決めていた

水晶の宮に女王達は鎮座していた





神は限りなく透明で無我なる魂に宿るとされた

ゆえにその国では透明なるもの、澄んだもの、清らかなるものが尊いとされた

無我とは自分を捨てることではなく自分を超えること

清らかさとは純粋にして私心や欲得のない素直な心

男は国のため女のため家族のために戦うのが仕事 

女は国のため男のため家族のために神を降ろすのが仕事

国のために戦うすべての男を労い慰めるのは女の祈り

ゆえに女の祈りはとても重要なものだった

女の祈りは歌となり装飾となり衣となった

女の無我なる祈りがかかったものは輝きが違うのですぐに分かる

女の祈りはすべてを善きものとする特別なる霊力を持っていた

この国では男のために祈るのが女の仕事だった

男がつくる国を護るのも女の仕事だった

透明なる歌

透明なる言霊

透明なる想い

透明なる祈り

澄んだ水のように

天空から降りる風のように

無我なる魂であればあるほどに

神々の力を多く降ろすことができると信じられていた







なくなった国

なくなった記憶

それでも

消えない想いがある

願いを伝えてほしい




この水晶の宮から

時を越え

いま語りかけるなり



























  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 00:58Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「懐かしき国」

2015年03月09日




語るべきでないことを

忘却という優しき波に委ねて

多くの物語のなかに

そっとたたみこむ


それでも懐かしき思いが

溢れていでてとどまらず

抑えてもおさえても

胸元からとめどもなく

こぼれておちる



懐かしき

わが魂の国

高千穂の

多くの笑顔と

多くの願いと




神の国を創りたいと願った

神の想いをこの地に降ろしたいと願った

多くの偉大なる方々がその為にすべてを捧げた

のちにその記憶の片鱗が神話となった




神話は神話であり

当時の生々しき祈りも葛藤も何も伝えはしない

いや それで良い

歴史のなかに折り重ねられた多くの痛みは

時の女神のてのひらのなかで

やがて融けるまで

そっと眠らせておくのが良い



ただ

ただ

懐かしい

あの時

我らは信仰に生きた

信仰とは理想を成就するための戦いだった

信仰とは生き様だった

信仰を護るために生きた

信仰を護ることが国を護ることだった

信仰とは国だった



ああ

多くの理想が

たくさんの祈りが

たくさんの献身が

名も無き人生が

捧げられ

積み上げられ

やがて花開く物語



物語のすべてを知る必要はない

当事者は

黙って目を閉じれば

継ぐべきことのみを繋ぎ

残りは女神の御手に預けて

繰り返しの命を

わずかな熱とともに

そっと思い出すだけで良い




女達の戦いは

報われなかったかもしれない

しかし

その思いが

神心となりて

この国は女神の国となる

女達の願いは

違う形で

もっとも神近き形で成就したのだ












  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 21:32Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「奄美祝いの国」

2015年02月09日



竜女の宴





神山を宮となし

水の衣

白滝の比礼

厳かに

月夜に照らす




雫の珠が

震え弾けて

奏でる音(ね)

民を愛せ

国を愛せと

唱えかし




竜女の舞いが

地に響け

空を貫き

風巻きて

大波おこさん




大波おこさば

轟きて

海山繋ぐ

界の糸

人には断てぬ

茜糸

神々結びし

絆糸



絆糸

紡いで織りて

大島の

衣は女神の黒髪の

艶やかなるを宿したる

女の祈りが言挙げて

創りし加護の祈り満ち

届けば落ちる

祝福の

甘露の雫が霊力(ちから)呼び



祝い奉れ

祝い奉れ



祈りが

女の仕事

神衣

纏うは赤土の竜女



女神微笑む

竜女の母

オオアマの国

国祝え

民栄え

男栄え

子等栄え

天道示せ








かんごろも

かんたなびかし

ひれふれば

あまにとどけと

あまのちからを

おろすなり






















  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 01:47Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「こころをしくませる歌」

2015年01月28日

こころをし

くませば

ちるぞたむけれ

みるもむさんに

なくなこらよ

むくいうけたる

みずのながれ

うえからしたにおつるがごとく

かわのながれ

やまからうみにながるごとく

まがりがならぬみちなれば



いまならくいよ

いまくいあらためぬなら

とどめおかまじ




いしにわきてむ

みずのみち

いわさきつらぬく

あめのみち

しこくしなんの

しおのみち

くもんくなんもそこなげに

ひいてははかれぬ

くものみち







いかなことばもいいわけも

そなたのおこないごまかせぬ

うらみのつらを

くろうて

よみのいぬ

みっつ ななつ ここのつ




いんがゆがめるうらみゆるさじ

かかみておかじ

むくいはむくいのままに

みのりすぎぬよう

ゆがみなくしたぼれ




ときのあるじ

きこしめせ 









とうとがなし

とうとまいらせ

とうとがなし

とうとまいらせ





















  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 02:03Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「メッセージ」

2015年01月25日




あなたが孤独でいる時

私はあなたと共にいる

あなたが虐げられている時

私はあなたと共に耐えている

あなたが犯した罪に苦しみ自らを苛み続ける時

私はあなたと共に血を流している




私の大切な人

どうか知ってほしい

あなたの永遠の価値を

あなたの永遠の希望を

あなたの永遠の夢を

あなたがあなた自身であることの無限の祈りを

どうか

あなたを殺さないでほしい

どうか

あなたを生かしてほしい

生きていてほしい

そして笑ってほしい



絶望の底で

祈るあなたの

横にいつも

私がいる

あなたを護っている

あなたと共に祈る

私の名を呼んでください

私はいつもあなたの傍らにいるのですから

友よ

永遠の友よ



私の希望の光











  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 22:31Comments(0)ぽえむん

ぽえむん外伝「奄美の女達に望む」

2015年01月21日


大御心に沿い奉る






奄美の女達に伝える

あなた方があなたの家族や子供達を愛するように

あなた方があなたの子供のために祈るように

地域のため 国のためにも祈ってほしい



あなた方があなたの家族や子供達の無病息災・健康・幸福を祈るように

どうかあなたの住まう地域や国の平和と安寧と繁栄を祈ってほしい



あなたにとって家族や子供が大切な存在であるように

神々にとってはあなたの住まう地域や国が我が子のように愛しい存在なのだから

どうか神に願うのみではなく

神の願いをあなた方からすすんで理解し近づいてほしい

神と共に祈るあなた方であってほしい





だからあなた方が家族や愛する子供のために祈るとき

神の思いも同時に祈ってほしい

あなたがたが家族を愛し護りたいと思うように

神はこの国を愛し護りたいと願っているのだから





なぜなら

あなた方は太古より祈りの民であった

あなた方は国のために祈る役目を持っていた

よいか

「神高い」という言葉をないがしろにしてはならない

「神高い」とは

自分のためだけに生きてはならないからこそ神高いのだ

「神高い」とは

神の心を我が心として生きる役目を持つからこそ神高いのだ

なれば

「神高い」という言葉を軽んじてはならない

奄美の女は我がことのみのために生きてはならぬ

我が思いのみにとらわれてはならぬ

あなたがた奄美の女は

個を超えて全のために

国のため世のため神のために

祈り捧げる民であった

だからこそ

あなたがたは神高い

その役目を忘れ去った時

あなたがたの苦しみがはじまったのだ





もう一度思い出してほしい

この島が何のために祈る島であったのかを

この島の女達は

何故に「神」と共にあったのかを




国のために祈れ

地域のために

ふるさとのために

あなた方の祖霊のために

あなた方の神のために

報恩こそ

女の道

霊の道






女の祈りが国護る

国のために祈れ

奄美の巫女達に望む












  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 14:38Comments(0)ぽえむん

ぽえむん「あなたにしかできない」

2015年01月14日


明るい道を歩いてはこれなかった

嘲笑と侮蔑の視線のなかで

なぐられ蹴られ石を投げられるのはつらかった

母の涙と父の耐える口元を見るのがつらかった

私のせいで誰かが傷ついていた

私はこの世界に必要な人間ではなかった





絶望のなかで

誰かが語りかけてくれる

死ねば楽になる

死ねば償える

死ねばこれ以上迷惑をかけることはない



しかし

もうひとりの誰かが語る

親より先に死んではならない

償うならば生きよ と





暗さを知る

おまえにしかできない

道がある



その言葉の意味を

12歳のこどもにどうやって教えられただろう








石を投げられた者の痛みを知るなら

その痛みに共に泣ける人間になれるはずだ

なんのとりえもなく 世界に迷惑をかけるだけの自分に

耐えるしかなかった孤独を知るのなら

そんな人間の自責を理解できる大人になれるはずだ

私が伸ばした手をつかんでくれる大人はいなかった

しかしつかんでくれる人の代わりにいたのは

傍で支え続けてくれたたくさんの大人だった

だから伝えられるはずだ

手をつかんでくれる人がいなくても

傍で支え続ける人の深いありがたさを

本当は支え続ける時間のほうが

手をつかんでくれることよりもはるかに大きく強いのだと

知った今なら






だから伝えたい

傷ついて

泥沼のなかを

独りで這いずって

暗くて

寒くて

打ち震えていた

そんな過去の

痛みを背負う

あなたにしか

できないことがある




この世界を照らしてほしい

あの暗がりであなたの落とした涙が

世界の優しさの一粒になれるのだから

この輪廻

支え合う愛の世界

創られたる天のぬくもり










  


Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 21:51Comments(1)ぽえむん