ぽえむん「水の宮より」
2015年11月14日
神の道を驕ってはならない
神の道は自らを偉くするものにあらず
ただただに神に従う仕(つかまつ)り人なれば
霊と人とが重なる世界に惑うなら
そなたの心いまだ水面に揺れる木ノ葉なり
そなたの弱さ心の脆さ欲心
神は救わぬぞ
救うはそなたのみぞ
神はただ導くのみぞ
神は道を指し示すのみぞ
神に頼ってはならない
神にすがってはならない
神は泣きながら
そなたを導くのぞ
神の導きをきちんと聞きて従えよ
従わぬは神のせいではないぞ
従わぬはそなたの驕りぞ欲心ぞ
驕り欲心の穢れを落とし落として
ひたすらに神の慈愛に向かいては
世の人に神の思いを
その生き様で示すなら
そなたは神の僕なり
とうとがなし
とうとまいらせ
とうとがなし
とうとまいらせ
ぽえむん「道久しき」
2015年10月01日
目の澱を取り除けば
すべては移ろう夢
何を思い何を為すか
それのみが真
弱き心を責めはしない
傷つくことでしか得ぬものがある
だがそこに留まり過ぎてはならない
川は常に流れているのだから
多くの命潤す水であれ
多くの命潤す波であれ
個の痛み超えて
いま妙(たえ)なる道へ
君落とす涙に
誰かの深き祈り宿りし
ぽえむん「真名井の滝」
2015年09月20日
龍宮に
くさかかりたる
スメラミコ
真名井の滝を
契りの証と
まつろえし
龍宮に
かかりてひさし
幾年(いくとせ)の
誓いの道を
今ぞ行くらむ
ここなたに
眠る幾多の
姫巫女の
願い重ねて
龍宮の
みずは煌く
澄みは難(かた)けり
難けし道を
十重二十重(とえはたえ)
織りて重ねて
祈りて祀る
神と民との
絆糸
濁り許さぬ
天道の
誓いの証が
地に降りて
潮が満ちれば
宣り挙げよ
続く限りの
ウナリガミ
龍宮に
誓いを立てて
幾久し
神と民との
絆歌
献じて尽くす
この道に
女の祈り
国を育てよ
この奄美島
国を安んじ
民を安んじ
世を安んじ
護れし島なり
誓い起こせよ
この国の
成り立ちよりの
女神尊べ
くさかかりたる
スメラミコ
真名井の滝を
契りの証と
まつろえし
龍宮に
かかりてひさし
幾年(いくとせ)の
誓いの道を
今ぞ行くらむ
ここなたに
眠る幾多の
姫巫女の
願い重ねて
龍宮の
みずは煌く
澄みは難(かた)けり
難けし道を
十重二十重(とえはたえ)
織りて重ねて
祈りて祀る
神と民との
絆糸
濁り許さぬ
天道の
誓いの証が
地に降りて
潮が満ちれば
宣り挙げよ
続く限りの
ウナリガミ
龍宮に
誓いを立てて
幾久し
神と民との
絆歌
献じて尽くす
この道に
女の祈り
国を育てよ
この奄美島
国を安んじ
民を安んじ
世を安んじ
護れし島なり
誓い起こせよ
この国の
成り立ちよりの
女神尊べ
ぽえむん「さきぶれのみち」
2015年09月10日
さきぶれ
あまんじ
くものまにまに
うけてながれむ
こころのこえ
ききてうごけり
よのけがれ
みにうけて
にじむいたみは
てんかいの
おやがみさまの
なみだみち
さきぶれを
いわいておこす
ときのこえ
むくいもとめず
たたかわば
やがてきたれる
あけぐもの
さきにたたえる
おおおやの
こうみょうこそが
むくいなれ
うつくしき
ねいろでみたせ
あめつちを
さきぶれのみち
いろどりわするな
ぽえむん「まひこの話」
2015年09月10日
まひこの本当の名前は知らない
名前は母と父と兄弟と同胞とムラの外で使う名前がそれぞれ違う
母は「小さい子」と呼び、
父は「三番目の息子」と呼び、
兄弟は「すばしこい小人」と呼び、
ムラの同胞は「ヤマワキの三番目の子」と呼び、
ムラの外での呼び名は「ワキヤ」
だった。
しかし私の友人や親しい仲間は、私を
「まひこ」
と呼んだ。
本来はヒコは日子であり、王族しか使ってはならないが、
私は冗談でまひこと呼ばれた。
ある日、私はムラから選りすぐられた同胞の仲間たちと共に、
ある戦いに召集された。
私達の使命は、国の王族のなかで最も美しいといわれる、
姫君の護衛だった。
姫君はこの国のシンボルでもあり、
敵国はしつこく姫君を狙ってきているという。
姫君を直視することは許されなかったが、
姫君の眩しさは、どのように被り物やシラヌノで覆っても、それを透す薫りを湛えていた。
姫君をお守りすることは、国をお守りすることだった。
私達のムラは特別なムラであり、忠臣の末裔だった。
(アマミキョ注・本当は王族の傍系)
だから私達は、私達の血に誇りを持っていたし、だからこそ、普段は無官でも、勅命があればすぐに戦えるよう、
常に備えていた。
朝廷の争いで汚れぬよう、わたしの一族ははるか昔の王命により、朝廷から離れ、
勅命があるまで民にまぎれている。
だから、私がまひこと呼ばれるのは、
私がムラオサの代位の家の人間のなかで、
もっとも戦いに優れているからだった。
姫君は多くの敵国から狙われていた。
私達のムラに勅命があったのは、姫君を匿うためだった。
姫君は神の気が一際強く、先読みの神の神姫だという。
私達は姫君をなにがあってもお守りすることを天と王と姫君と祖霊に誓った。
同胞のシジが私に笑顔で話しかけてくる。
シジは一族のなかでは、私の従兄弟になり、弓ではムラ一番だ。
シジは、敵を早く射抜きたいと笑った。
一族の護衛は五人から七人。交代でつねに姫君から離れない。
私は姫君を守り通した。
戦ったのか、戦わずにすんだのか、
もう記憶も定かではないけれども、
私の一族は、姫君を守り通した。
姫君を守れた。
それが私の誇り。
姫君はやがてこの国の伝説になった。
王族の名は消えて、
国の名前は消えても、
姫君の名は残った。
喜ばしき、
喜ばしき。
いま、姫君はどうなさっておられるのだろうか。
当時はオオヒメとお呼びしていた姫君。
一緒に守った同胞たちは、
今も私のそばにいる。
ぽえむん「橘」
2015年09月10日
美しさを何よりも愛する魂が
何故に戦わねばならなかったのか
多くの魂を生かしめる道に
荒魂(あらみたま)の意味を知る
やがて過ぎ行くこの時
今を問うな
先を憂うな
過去に患うな
向くは天
一枚ずつ葉を落として数える
天の川の願い
円環の螺旋が奏でる
交わる音(ね)
君に届け
皆天帝の子
ぽえむん「追憶」
2015年08月14日
それぞれの想いと
それぞれの夢を乗せて
飛ぶ白鳥
守りたかった
守れなかった
守り通せた
守るべきものを
抱きしめて
抱きしめ続けて
はるかな輪廻を
繰り返して
今またこの地に立つ
女神のカケラが
それぞれの
魂(たま)に宿りて
奄美島
選びて久しこの時に
花開け
取り戻す過去は
多くの魂(たま)の
導きと
願う道行(みちゆき)
未来に繋ぐ
ひと時の
天人の夢
それぞれの夢を乗せて
飛ぶ白鳥
守りたかった
守れなかった
守り通せた
守るべきものを
抱きしめて
抱きしめ続けて
はるかな輪廻を
繰り返して
今またこの地に立つ
女神のカケラが
それぞれの
魂(たま)に宿りて
奄美島
選びて久しこの時に
花開け
取り戻す過去は
多くの魂(たま)の
導きと
願う道行(みちゆき)
未来に繋ぐ
ひと時の
天人の夢
ぽえむん「花はそこに咲く」
2015年06月26日
あなたはずっと探し続けていた
一輪の花
あなただけの花
きっとあるかもしれないと
あなたは力の限り走った
でも遠くのどこかで見つけた花は
みんなあなたの求めるものではなかった
そう
もうあなたは気づいているはず
あなたが本当に欲しかった花は
すでに咲いている花ではなく
あなた自身が咲かせる花
花の姿をとった
あなた自身の輝き
だから
花はそこに咲くのです
どこでもなく
あなたのそばに
あなたの夢から
あなたの願いから
あなたの涙から
あなたの勇気から
だから知ってほしい
あなたが創る花こそ
あなたの使命
あなたの創る花を
待っている人がいることを
あなたの花が
誰かを照らす
その愛は
仏性(神性)のかがやき
私達は誰もが花を咲かせる
ぽえむん「天に還す道」
2015年06月19日
あなたの重荷を
あなたの苦悩を
天が見ている
天が見ている
それはあなた自身の招いたものかもしれない
それはあなた自身の執着かもしれない
それはあなた自身の因果かもしれない
しかし
あなたが辛いときには
あなたの魂の同胞が
共に涙を流している
そのことを忘れないでほしい
一つ 方法を授ける
祭壇の前で
心を整えなさい
深く深呼吸して
心の波立ちを鎮めて
そして祈りなさい
祈りの時に
ありありと描いてほしい姿がある
あなたから天に大宇宙に仏に
感謝と報恩の光の柱が立っている姿
よいか
天から大宇宙から仏から
いただくばかりであってはならない
あなた自身も柱を立てよ
感謝と報恩の柱を立てよ
そのとき
あなたの心には
まださまざまな葛藤が残っているかもしれない
それらの
悲しみや怒りや恨み
病や苦悩
いまのあなたでは理解できないそれらの重荷を
あなたの感謝と報恩の道から
天に 大宇宙に 仏に
預けなさい
あなたの葛藤を光で包んで
感謝と報恩の柱から
天に 大宇宙に 仏に
預かっていただくのだ
「因果の道に
還るべきを還し
仏の御心のままに
すべてが成されますように」
あなたの願望を乗せてはいけない
あなたの都合のいい未来を願ってはいけない
ただ、還しなさい
天へ 宇宙へ 仏へ
あなたの背負うものすべて
仏の目で見てみるがよい
天意はあなたを待っている
天
あなたを愛し
天
あなたを信じ
天
あなたの未熟さに涙を流す
天
あなたの精進を喜び
天
あなたのすべてである
無我なる道こそ
天道であれ
ぽえむん「龍神とうとめ」
2015年06月17日
南の杜の赤龍女
大山媛の命(めい)により
主(あるじ)の国に集い来よ
主の国の根の底に
大山媛のあずかり知らぬ
禍(まが)りし熱の病(やまい)あり
大山媛の持たれたる
おろちのひれの御業(みわざ)なら
清めの御業であればこそ
龍神おさえる理由なし
此度(こたび)の国の根の底の
熱は禍りし病熱(やまいねつ)
悪しき者等が清めの御業に
穢れし細工加えたり
なれば集えよ南の杜の
アメキ纏いし赤龍女
清めのアメ持てヒレ振らば
穢れし熱を鎮めたり
龍宮の奥座におわします
龍皇 オオワダツミノカミに
謹んで申し上げ奉ります
我ら アマツミヤの民
祈り歌祈り舞奉納し
アメキの種を穂高に積み上げ
龍女様方に捧げます
なにとぞに
なにとぞに
主の国の大禊(おおみそぎ)
滞りなく
涙少なく
潤い多く
大主(おおあるじ)の国民(くにたみ)の栄えの源となりますように
大山媛様の清めが
穢されることなく成されますように
そして願わくば
さらにさらに大主の国民の栄えの源となりますように
赤龍女
主の国を
洗いしヒレは
涙濡れ
大山媛の命(めい)により
主(あるじ)の国に集い来よ
主の国の根の底に
大山媛のあずかり知らぬ
禍(まが)りし熱の病(やまい)あり
大山媛の持たれたる
おろちのひれの御業(みわざ)なら
清めの御業であればこそ
龍神おさえる理由なし
此度(こたび)の国の根の底の
熱は禍りし病熱(やまいねつ)
悪しき者等が清めの御業に
穢れし細工加えたり
なれば集えよ南の杜の
アメキ纏いし赤龍女
清めのアメ持てヒレ振らば
穢れし熱を鎮めたり
龍宮の奥座におわします
龍皇 オオワダツミノカミに
謹んで申し上げ奉ります
我ら アマツミヤの民
祈り歌祈り舞奉納し
アメキの種を穂高に積み上げ
龍女様方に捧げます
なにとぞに
なにとぞに
主の国の大禊(おおみそぎ)
滞りなく
涙少なく
潤い多く
大主(おおあるじ)の国民(くにたみ)の栄えの源となりますように
大山媛様の清めが
穢されることなく成されますように
そして願わくば
さらにさらに大主の国民の栄えの源となりますように
赤龍女
主の国を
洗いしヒレは
涙濡れ
ぽえむん「ヨタレ」
2015年06月12日
このみさし
てんもんの
みずをうち
みずをさし
はかなくちるも
うけてながれむ
しきしおの
わだつみのうた
のりとわば
かかけいでてむ
つきのこえ
くものまにまに
のぞむつき
あるじのこえを
とどけつなぎて
おろすなり
ぽえむん「古代幻想」
2015年05月24日
あなたが思うようないい時代ではなかったんだよ
この時代の方がよほどいい時代だ
この時代はまるで天国じゃないか
楽な仕事
美味しい食べ物
自由な暮らし
すぐにお医者にかかれる
きらびやかな服
どんな神様を拝んでもいい
まるで天国だよ
私達が重ねてきた時代はね
そんなものはどこにもなかった
下々の民は上の人間の暮らしにあこがれてあこがれて
すぐに死んでいった
上の人間が歪めば国も歪む
歪みは飢饉になり下々の民が死ぬ
じゃあ上の人間が真面目なら良かったか?
上の人間が真面目だなんてごくわずかさ
みんな欲が満たされたらもっとほしくなるだけで
そのなかで真面目な人間は
悲しみに押しつぶされそうになりながら
泣きながら和合してわずかな願いを叶えるか
泣きながら心を鬼にして政敵を滅ぼすか
上の人間のつらさは下々にはわからないからね
自由は本当はとても怖いものだよ
人間を簡単に狂わせることができる
だから下々の人間は幸せだったのかもしれない
上の人間はどの判断にもかならず犠牲にするものがあったのだから
だから昔はね
神様がすべてだった
神様しかないんだよ
来世に願いを託すしかなかった
それでも神様も私達は護れなかった
下々の民は簡単に信仰を奪われた
氏神を奪われ 征服者の神を押し付けられた
古代からの伝承を紙に残せば殺された
私達は泣きながら征服者が定めた祭祀作法に従い
押し付けられた神の向こうに自分たちの神を拝んだ
それでしかこの日本という国がまとまらなかったのも分かる
分かるけれども・・・・・
だから私は伝えたい
あなたがおかれているその時代の素晴らしさを
大事にしてほしい
自由は宝だ
転落する自由も悲しみを背負って理想を叶える自由もある
そして富は宝だ
多くの富が国に満ちれば
子供達や年寄りが飢えて死なずに済む
つまらぬ病気やケガで命を落とさずに済む
だから大事にしてほしい
多くの上の人間の悲しみと下々の人間の苦渋を
あなたは知らずにその血に刻んで自由を謳歌していることを
あなたの血は継承されてきている
あなたの血はすべてを知っている
気づいたあなたが拓いてほしい
さらにこの国を天国に近づけることを
天国は 本当は天にもないんだよ
天界は天界で地上にはない様々な矛盾や制約がある
神の理想を目指して
天も地も涙を落とし続けている
だから
あなたが拓いてほしい
それを知ったあなたが
あなたが増えて欲しい
理想の国は
感謝のうちに生き
感謝のうちに死ねる国
多くの自由が
愛のために使われる国
つまらない言葉を伝えたかもしれない
どこかの神を名乗ることもできず
あなたの期待や自尊心を満足させられなかったことは申し訳ない
私からの言葉を
願わくば あなたが受け入れてくれることを望む
ぽえむん「竜宮神女5」
2015年05月24日
りゅうぐうに
くさかかりたる
すめらみこ
まないのたきを
ちぎりのしるしと
まつろへし
いまぞききけれ
おくのまに
ひめてぞひさし
ひらくとびらは
もとおやの
みよのひらきの
いわいなり
ぽえむん「狂おしき」
2015年05月24日
なぜ私に呼びかける
なぜ私に求める
私はあなたではない
私はあなたになれない
そんな過去のことなど知らない
生まれる前のことに責任などとれない
誰がこの国をこのようにしたのだ
誰が私たちの国をシロアリ共の餌場にしたのだ
この大いなる神の楽土を
誰が怠惰と貪婪と退廃の泥土にまみれさせたのだ
私は許さない
護れなかった私を
護れなかった償いは
私の血と肉を万に削いでも足りない
多くの思いがからみつく
私は恋慕のしとねで眠る
焦がれているのは私なのかあなたなのか
残る熱情は過去に横たわる
ああ
私は奄美にいるのか
ここはどこなのか
奄美ではないどこかに私はいる
私は呼ばれたのか
それとも逃げてきたのか
見知らぬ土地を私は歩いている
帰るには遅く
戻るには早い
私を呼ぶあなたは
一体どこにいるのか
現し世に折り重ねられる夢は
私を惑わす
私はいつものように苦笑いをはりつけ
鏡を覗き込めば
見知らぬ女が
何とも言えぬ眼でこちらを見据えている
「約束を果たせよ」と
鏡の向こうに指さしてみる
ぽえむん「恋している」
2015年05月15日
いつになれば君に追いつけるのだろうか
薄れゆく記憶の向こうで
君が微笑んでいる
僕はいつも君の面影を追っている
何度も
生まれ変わっても
君はどこにいるのだろう
僕はいま女になった
しかし
僕はやはり君を探している
あの満開の花の下で
いつか再び出会うと
僕は信じて
待って
待って
待ち続けて
いまもいる
いとしき君よ
薄れゆく記憶の向こうで
君が僕に微笑んでいる
いつか
君に花をあげたい
君に思いを伝えたい
君よ
僕は女になった
君はいまどこにるだろう
僕は君を探す
いつまでも
待ち続けている
ぽえむん「空に飛ばした夢」
2015年05月13日
僕は人がこの地上に縛り付けられているのは間違っていると思っていた。
僕はどんな嵐でも人が安全に航海ができる潜水艇を作りたかった。
誰もが楽しんで風を受けて空が飛べる大きな竹飛行機を作りたかった。
僕の夢をほとんどの人々は嗤った。
しかし僕は諦めなかった。
やがて、僕の夢についてきてくれる数人の友人たちがあらわれた。
潜水艇の実験の日、僕はもっとも仲のよかった友人・作造にその役目を頼んだ。
作造は笑顔でこたえた。
作造は潜水艇に入り、そのままあがってこなかった。
引き上げられた時には、作造は眠るように死んでいた。
一酸化炭素中毒だった。
竹飛行機の実験の日は、潜水艇の実験の翌日だった。
竹飛行機の実験も、海の上だ。
落ちた僕を拾えるよう、海には船が出ている。
その船には、僕の夢を支え続けている友人の千恵、幸雄、権、鉄志が乗っている。
そして、昨日亡くなった作造の遺体が、僕の実験を見届けてくれるようにと、寝かせられている。
空に張った板の階段を走る。
いままでのことが走馬灯のようにすぎる。
僕は階段の先端においた竹飛行機に乗って、思い切り空を蹴った。
飛ばした。
僕は風になる。
ああ、やはり空はいいものだ!!
多くの人が、この喜びを味わえたら、どんなにいいだろう!
船の上で、みんなが喜んでいるのが見えた。
僕は何度も船の上を旋回し、自由に大空を駆けた。
しかし、その瞬間、風向きが大きく変わった。
なんとか態勢を立て直そうとしたが、無理だった。
僕は海に落ちた。
落ちた海の中はとても綺麗だった。
海のなかで僕は考える。
今回の実験は成功だ。当初の予測に比べたら飛距離も安定性も申し分ない。
もっといろんな風向きに対応できる一層の安定性の向上と、竹飛行機の軽量化も考えないといけない。うまく風に乗れてさらに少しでも安全に飛べるにはもっともっと改良が必要だ。
もっと海の中にいたかったが、みんなが心配するといけない。
海上に顔を出したら、船の上のみんなが何とも言えない顔で歓声をあげていた。
船まで泳いでよじ登ると、千恵が手を貸してくれた。
僕はその細く少し力を入れたら折れてしまいそうな指に、少しだけ僕の熱をこめた。
千恵の目は、僕に無言の熱を返してくれる。
この夢が叶ったら、僕は千恵に思いを伝えたい。
それまで、僕の思いに気づかぬふりをして、友人として僕を支え続けてくれる千恵。
船にあがると、みんなが拍手でずぶ濡れの僕を迎えてくれた。
鉄志が無線機を握り締めて、嬉しそうに僕にまくしたてる。
「いま、あちこちから、融資の申し出が殺到してるんだよ!聞こえるだろ!」
鉄が抱きしめるように抱えている無線機の向こうから、ひどい雑音にまぎれて、会社名を名乗るいくつもの声が、それぞれ出せる金額を叫んでいた。
竹飛行機は、陸の多くの人に見られていたらしい。
僕たちは何度も何度も頭をさげて回った。その時には、誰も聞いてもくれなかった。
今は、先を争ってうちが金を出すからうちと契約してくれと言ってきている。
無言で幸雄が手ぬぐいとサイダーを渡してくれた。
千恵が、作造の遺体に優しく語りかけていた。
「サク、あの無線聞こえるだろ?健坊の竹飛行機、すごかったよね。あれをみんな見てたんだよ。サク、健坊の夢がみんなに認められはじめたんだよ、私達の夢だよ」
僕は眠ったままの作造に声をかけようとしたが、できなかった。
涙を流すのは今じゃない。僕たちの夢が実現した時だ。
僕は顔を大きく拭ってサイダーを流し込む。
今の僕の顔は、誰も見ないでほしい。
潜水艇と竹飛行機の夢。
叶うまで僕は諦めない。
この夢が馬鹿げているなら、
笑いたい者は笑えばいい。
僕の志のために命を尽くしてくれた作造に、
僕は夢の実現で応えるのだ。
ぽえむん「戦いのあとに」
2015年05月05日
どれだけのものを犠牲にすれば
夢は叶えられるのか
ひと時の戦いを繰り返し
繰り返し
まだ理想には届かない
天に問うて
自分の胸を叩いて
友の亡骸を抱いて
やがて力尽き 骨になり
また生まれ
また歩き出す
そして戦う
せめて
この志のなかにも
仁愛の熱を
正しいモノと正しくないモノで
ふるい分けされるには
世界はあたたかすぎる
世界は弱さとゆらめきと
それでも優しいぬくもりに満ちているから
私が斬ってきた敵にも家族がいた
護るべき理想があり
友があった
ああ
あとどれくらいのものを犠牲にすれば
私はあの国に届くのか
天の国
私とあなたの理想に
すべての想いを呑んで
染まる青
いつか叶いたまえと願う
大いなる和の国
ぽえむん「痛みの原因」
2015年05月03日
腫れた足を撫でさすり
受け止めるにはあまりに辛すぎた道を
振り返る
私は私を理解できてはいない
押しつぶされた理想と
どこまでも重ねられた人格の澱が
セピア色の水面に揺れる
ああ
たくさんの突きつけられる指先は
私にたくさんの希望を求めるが
私にはそれを叶える術もなく
しかし
私は私を知ることを諦めない
私の内なる光は
過去の翳りをも超えて私を照らすから
突きつけられた指先に目をこらす
指先はすべて私の指だった
私を受容せよ
ぽえむん「導きの民」
2015年04月30日
導きの民
導き手となりて
多くの惑える者等を
導かんとす
導きの民
天の慈愛忘る勿(なか)れ
天の愛は
そなたらの志に宿らば
愛によりて導け
愛なくば智慧なし
智慧なくば勇気なし
勇気なくば克つ道なし
克たぬ道に向上なし
向上なき道に天道なし
そなたの心に天道持たば
導けよ
彼と我とをつなぐ道
そなたも彼らも円(まろ)き玉
夜空彩る煌きの
命が地に降りこの時を
愛と慈悲とを学ぶため
修行の肉持つ円き玉
肉身(にくしん)離れて玉と見よ
いずれは戻りてこの宇宙(そら)を
彩る奏でるその音色
そなたら元の身 玉なるぞ
天道受けて共鳴し
この地で行う肉身の
愛と慈悲との音色こそ
宇宙(そら)に輝く音色なり
地上の音色を磨くなら
導きとなりて世を照らせ
そなたら闇夜を照らす道
闇夜を照らす星となれ
やがて戻りし大宇宙(おおぞら)に
仏の夢が満てるかな
ぽえむん「竜宮神女4」
2015年04月20日
美しい言葉を使ってほしいのです
言葉はあなた自身を表すのだから
あなたの心の言葉
あなたの口の言葉
それがあなたの魂なのです
心の言葉口の言葉で
あなたが嘘を重ねたり
あなたが人を貶めたり
あなたが人を裁いたり
あなたが人を傷つけたり
あなたが自分を卑下したり
あなたが何気なく使う口ぐせ
あなたがふとつぶやく言葉
それらはすべて天の御柱(みはしら)に記録されています
よいですか
あなたがあなたという人間を正しく知りたいと思うのなら
心で思った言葉
口に出した言葉
それらをすべて並べてみてご覧なさい
それらをすべて並べて観た時に
美しいか
醜いか
その結果があなた自身の魂の境涯を表すのです
ですから
心で語る言葉を点検しなさい
口で語る言葉を点検しなさい
その言葉は美しいか醜いのか
言葉はあなた自身を創り
あなたの周りの世界を創り
あなたの子供や孫また来世にまでも繋がります
だから言葉を大切にして
美しい言葉を奏でてほしいのです
あなたの心と口が生み出す言葉が
優しさに満ちたものとなりますように
あなたの心と口が生み出す言葉が
癒しに満ちたものとなりますように
あなたの心と口が生み出す言葉が
理解に満ちたものとなりますように
あなたの心と口が生み出す言葉が
積極性に満ちたものとなりますように
あなたの心と口が生み出す言葉が
祝福と奉仕に満ちたものとなりますように
あなたの心と口が生み出す言葉が
生きとし生ける者への肯定に満ちたものとなりますように
そのために私達はいるのです
どうか心乱れ言葉乱れ口元が重く沈む時には
私達のことを思い出してください
七色衣(ころも)の舞いにして
歌と踊りの微笑みが
満てる祝いの心こそ
世界に向けし願いかな
微笑みが清め歌
自ら清め世界を清め
微笑みの舞いを広げたき
微笑み結ぶ言葉こそ
七色衣の舞いなれば
言葉で創れよ七色の
自他を清める祝い道
竜宮神女の七色舞いが
そなたの祝いに神力(カミ)降ろす
ぽえむん「和歌もどき再び」
2015年04月20日
おとどのに
くさかかりたる
すめらみこ
わすれてひさし
たみのむなはら
よびてこたえず
かたりてとどかず
いくとせいくよをかたむけて
こらのまどいをただながめ
おろせどゆがめてうけもせり
せいひつのまにあわれがみてり
おおおやさま
おおおやさま
まちてこがれる
おおみぬし
なにとぞに
なにとぞに
なげきのかみらをすくいたまえと
てんちのねがいがあふれてこぼれ
ほしぼしさえもまたたけり
まちねがいたる
このとき
おおいなるみち
なみだばしかけて
わたしとおそ
くさかかりたる
すめらみこ
わすれてひさし
たみのむなはら
よびてこたえず
かたりてとどかず
いくとせいくよをかたむけて
こらのまどいをただながめ
おろせどゆがめてうけもせり
せいひつのまにあわれがみてり
おおおやさま
おおおやさま
まちてこがれる
おおみぬし
なにとぞに
なにとぞに
なげきのかみらをすくいたまえと
てんちのねがいがあふれてこぼれ
ほしぼしさえもまたたけり
まちねがいたる
このとき
おおいなるみち
なみだばしかけて
わたしとおそ
ぽえむん「竜宮神女3」
2015年04月02日
竜宮の宴は
宴を見せているだけ
神々はつねに祝っていると思うか
否
神々は働いている
神々は戦っている
神々は泣いている
愛し子がたくさんたくさん助けを求めてくる
願う声が聞こえる
ただ座して観ていると思うか
それを横目に神殿に鎮まっているように見えるか
穏やかなる姿しか見えぬのなら
その目の澱を濯うが良い
只人よ
お前が女なら
母の痛み母の労苦が分かろうか
与え支えし者こそ
光当たらぬとも
神近き
だから報い求むな
母が報い求めて子を育てるか
それが神の思いなら
神を敬う者等も倣いて
報い求むな
与え育て導きて
見守りし思い幾年(いくとせ)を
重ねて絆が「信仰」と
呼ばれし日々もありしかな
宴を見せているだけ
神々はつねに祝っていると思うか
否
神々は働いている
神々は戦っている
神々は泣いている
愛し子がたくさんたくさん助けを求めてくる
願う声が聞こえる
ただ座して観ていると思うか
それを横目に神殿に鎮まっているように見えるか
穏やかなる姿しか見えぬのなら
その目の澱を濯うが良い
只人よ
お前が女なら
母の痛み母の労苦が分かろうか
与え支えし者こそ
光当たらぬとも
神近き
だから報い求むな
母が報い求めて子を育てるか
それが神の思いなら
神を敬う者等も倣いて
報い求むな
与え育て導きて
見守りし思い幾年(いくとせ)を
重ねて絆が「信仰」と
呼ばれし日々もありしかな
ぽえむん「水晶の宮2」
2015年03月21日
老婆が孫に語っていた
「この国に生まれたことを誇りに思いなさい
この国は多くの神様方が治められるとても素晴らしい国
私達の神様が私達の為に
天の神様に祈ってくださっている
だから神様のお守りをいただいている私達も
下の人間を慈しみ下の人間のために祈るんだよ
上の人間を敬い上の人間に感謝して祈るんだよ
この仕組みは神様がつくってくださった仕組みだからね
神様からいただいた仕組みをきちんと重ねれば
かならず神様がお前を素晴らしい方向に導いてくださるからね
神様はいつもいつも見ておられるんだよ
天に輝く太陽はあれは神様の目なんだよ
夜に光る月も神様のもう一つのお優しい目なんだよ
だから神様方はいつもいつも見ておられるんだよ
だから透明な心で生きなさいね
あの海のように澄んだ心であればあるほどに
神様方がお前の生きる道を指し示してくださっているのがお前にも見えるから
心がにごっていたら神様のお示しが分からなくなるよ
いいかい
欲を持つと神様に嫌われてしまうよ
嘘をつくと神様に嫌われてしまうよ
神様に好かれるお前であるように心をいつも透明にしなさい
つらいときや悲しいときや怒りで心がにごってどうしようもないときは
海を眺めなさい
海はお前を清めてくれるから
清めていただいたら海に感謝して
お前も誰かを清められるように生きなさい
清めの力は繰り返しの波の力だよ
清めの力は長く帯を引く風の力だよ
だから一度の清めが成就しないからと諦めてはいけない
波のように風のように
繰り返し繰り返し 長くながく自分を清め続けなさい
お前が透明な心でいることが誰かを清めることになるんだよ
だから透明な心でいなさい
透明な心に神様のお守りが宿るんだからね
神様はいつもいつもにお前を見ているよ」
国の記憶はなくなれども
継いでほしい想いがある
かつて南西諸島にあった国
ニライカナイの神々が
復活の時を祝うかな
ぽえむん「水晶の宮」
2015年03月21日
その国のことを忘れても
その願いは忘れないで欲しい
かつてあったその国は
すべての女性が気高さを湛えていた
すべての女性は神と通じることができるとされた
権威ある祭祀王は七人の女王で
交代で一人が神託を受ける役となり
その神託の解釈で国の方向性を決めていた
水晶の宮に女王達は鎮座していた
神は限りなく透明で無我なる魂に宿るとされた
ゆえにその国では透明なるもの、澄んだもの、清らかなるものが尊いとされた
無我とは自分を捨てることではなく自分を超えること
清らかさとは純粋にして私心や欲得のない素直な心
男は国のため女のため家族のために戦うのが仕事
女は国のため男のため家族のために神を降ろすのが仕事
国のために戦うすべての男を労い慰めるのは女の祈り
ゆえに女の祈りはとても重要なものだった
女の祈りは歌となり装飾となり衣となった
女の無我なる祈りがかかったものは輝きが違うのですぐに分かる
女の祈りはすべてを善きものとする特別なる霊力を持っていた
この国では男のために祈るのが女の仕事だった
男がつくる国を護るのも女の仕事だった
透明なる歌
透明なる言霊
透明なる想い
透明なる祈り
澄んだ水のように
天空から降りる風のように
無我なる魂であればあるほどに
神々の力を多く降ろすことができると信じられていた
なくなった国
なくなった記憶
それでも
消えない想いがある
願いを伝えてほしい
この水晶の宮から
時を越え
いま語りかけるなり
ぽえむん「懐かしき国」
2015年03月09日
語るべきでないことを
忘却という優しき波に委ねて
多くの物語のなかに
そっとたたみこむ
それでも懐かしき思いが
溢れていでてとどまらず
抑えてもおさえても
胸元からとめどもなく
こぼれておちる
懐かしき
わが魂の国
高千穂の
多くの笑顔と
多くの願いと
神の国を創りたいと願った
神の想いをこの地に降ろしたいと願った
多くの偉大なる方々がその為にすべてを捧げた
のちにその記憶の片鱗が神話となった
神話は神話であり
当時の生々しき祈りも葛藤も何も伝えはしない
いや それで良い
歴史のなかに折り重ねられた多くの痛みは
時の女神のてのひらのなかで
やがて融けるまで
そっと眠らせておくのが良い
ただ
ただ
懐かしい
あの時
我らは信仰に生きた
信仰とは理想を成就するための戦いだった
信仰とは生き様だった
信仰を護るために生きた
信仰を護ることが国を護ることだった
信仰とは国だった
ああ
多くの理想が
たくさんの祈りが
たくさんの献身が
名も無き人生が
捧げられ
積み上げられ
やがて花開く物語
物語のすべてを知る必要はない
当事者は
黙って目を閉じれば
継ぐべきことのみを繋ぎ
残りは女神の御手に預けて
繰り返しの命を
わずかな熱とともに
そっと思い出すだけで良い
女達の戦いは
報われなかったかもしれない
しかし
その思いが
神心となりて
この国は女神の国となる
女達の願いは
違う形で
もっとも神近き形で成就したのだ
ぽえむん「奄美祝いの国」
2015年02月09日
竜女の宴
神山を宮となし
水の衣
白滝の比礼
厳かに
月夜に照らす
雫の珠が
震え弾けて
奏でる音(ね)
民を愛せ
国を愛せと
唱えかし
竜女の舞いが
地に響け
空を貫き
風巻きて
大波おこさん
大波おこさば
轟きて
海山繋ぐ
界の糸
人には断てぬ
茜糸
神々結びし
絆糸
絆糸
紡いで織りて
大島の
衣は女神の黒髪の
艶やかなるを宿したる
女の祈りが言挙げて
創りし加護の祈り満ち
届けば落ちる
祝福の
甘露の雫が霊力(ちから)呼び
祝い奉れ
祝い奉れ
祈りが
女の仕事
神衣
纏うは赤土の竜女
女神微笑む
竜女の母
オオアマの国
国祝え
民栄え
男栄え
子等栄え
天道示せ
かんごろも
かんたなびかし
ひれふれば
あまにとどけと
あまのちからを
おろすなり
ぽえむん「こころをしくませる歌」
2015年01月28日
こころをし
くませば
ちるぞたむけれ
みるもむさんに
なくなこらよ
むくいうけたる
みずのながれ
うえからしたにおつるがごとく
かわのながれ
やまからうみにながるごとく
まがりがならぬみちなれば
いまならくいよ
いまくいあらためぬなら
とどめおかまじ
いしにわきてむ
みずのみち
いわさきつらぬく
あめのみち
しこくしなんの
しおのみち
くもんくなんもそこなげに
ひいてははかれぬ
くものみち
いかなことばもいいわけも
そなたのおこないごまかせぬ
うらみのつらを
くろうて
よみのいぬ
みっつ ななつ ここのつ
いんがゆがめるうらみゆるさじ
かかみておかじ
むくいはむくいのままに
みのりすぎぬよう
ゆがみなくしたぼれ
ときのあるじ
きこしめせ
とうとがなし
とうとまいらせ
とうとがなし
とうとまいらせ
くませば
ちるぞたむけれ
みるもむさんに
なくなこらよ
むくいうけたる
みずのながれ
うえからしたにおつるがごとく
かわのながれ
やまからうみにながるごとく
まがりがならぬみちなれば
いまならくいよ
いまくいあらためぬなら
とどめおかまじ
いしにわきてむ
みずのみち
いわさきつらぬく
あめのみち
しこくしなんの
しおのみち
くもんくなんもそこなげに
ひいてははかれぬ
くものみち
いかなことばもいいわけも
そなたのおこないごまかせぬ
うらみのつらを
くろうて
よみのいぬ
みっつ ななつ ここのつ
いんがゆがめるうらみゆるさじ
かかみておかじ
むくいはむくいのままに
みのりすぎぬよう
ゆがみなくしたぼれ
ときのあるじ
きこしめせ
とうとがなし
とうとまいらせ
とうとがなし
とうとまいらせ
ぽえむん「メッセージ」
2015年01月25日
あなたが孤独でいる時
私はあなたと共にいる
あなたが虐げられている時
私はあなたと共に耐えている
あなたが犯した罪に苦しみ自らを苛み続ける時
私はあなたと共に血を流している
私の大切な人
どうか知ってほしい
あなたの永遠の価値を
あなたの永遠の希望を
あなたの永遠の夢を
あなたがあなた自身であることの無限の祈りを
どうか
あなたを殺さないでほしい
どうか
あなたを生かしてほしい
生きていてほしい
そして笑ってほしい
絶望の底で
祈るあなたの
横にいつも
私がいる
あなたを護っている
あなたと共に祈る
私の名を呼んでください
私はいつもあなたの傍らにいるのですから
友よ
永遠の友よ
私の希望の光
ぽえむん外伝「奄美の女達に望む」
2015年01月21日
大御心に沿い奉る
奄美の女達に伝える
あなた方があなたの家族や子供達を愛するように
あなた方があなたの子供のために祈るように
地域のため 国のためにも祈ってほしい
あなた方があなたの家族や子供達の無病息災・健康・幸福を祈るように
どうかあなたの住まう地域や国の平和と安寧と繁栄を祈ってほしい
あなたにとって家族や子供が大切な存在であるように
神々にとってはあなたの住まう地域や国が我が子のように愛しい存在なのだから
どうか神に願うのみではなく
神の願いをあなた方からすすんで理解し近づいてほしい
神と共に祈るあなた方であってほしい
だからあなた方が家族や愛する子供のために祈るとき
神の思いも同時に祈ってほしい
あなたがたが家族を愛し護りたいと思うように
神はこの国を愛し護りたいと願っているのだから
なぜなら
あなた方は太古より祈りの民であった
あなた方は国のために祈る役目を持っていた
よいか
「神高い」という言葉をないがしろにしてはならない
「神高い」とは
自分のためだけに生きてはならないからこそ神高いのだ
「神高い」とは
神の心を我が心として生きる役目を持つからこそ神高いのだ
なれば
「神高い」という言葉を軽んじてはならない
奄美の女は我がことのみのために生きてはならぬ
我が思いのみにとらわれてはならぬ
あなたがた奄美の女は
個を超えて全のために
国のため世のため神のために
祈り捧げる民であった
だからこそ
あなたがたは神高い
その役目を忘れ去った時
あなたがたの苦しみがはじまったのだ
もう一度思い出してほしい
この島が何のために祈る島であったのかを
この島の女達は
何故に「神」と共にあったのかを
国のために祈れ
地域のために
ふるさとのために
あなた方の祖霊のために
あなた方の神のために
報恩こそ
女の道
霊の道
女の祈りが国護る
国のために祈れ
奄美の巫女達に望む
ぽえむん「あなたにしかできない」
2015年01月14日
明るい道を歩いてはこれなかった
嘲笑と侮蔑の視線のなかで
なぐられ蹴られ石を投げられるのはつらかった
母の涙と父の耐える口元を見るのがつらかった
私のせいで誰かが傷ついていた
私はこの世界に必要な人間ではなかった
絶望のなかで
誰かが語りかけてくれる
死ねば楽になる
死ねば償える
死ねばこれ以上迷惑をかけることはない
しかし
もうひとりの誰かが語る
親より先に死んではならない
償うならば生きよ と
暗さを知る
おまえにしかできない
道がある
その言葉の意味を
12歳のこどもにどうやって教えられただろう
石を投げられた者の痛みを知るなら
その痛みに共に泣ける人間になれるはずだ
なんのとりえもなく 世界に迷惑をかけるだけの自分に
耐えるしかなかった孤独を知るのなら
そんな人間の自責を理解できる大人になれるはずだ
私が伸ばした手をつかんでくれる大人はいなかった
しかしつかんでくれる人の代わりにいたのは
傍で支え続けてくれたたくさんの大人だった
だから伝えられるはずだ
手をつかんでくれる人がいなくても
傍で支え続ける人の深いありがたさを
本当は支え続ける時間のほうが
手をつかんでくれることよりもはるかに大きく強いのだと
知った今なら
だから伝えたい
傷ついて
泥沼のなかを
独りで這いずって
暗くて
寒くて
打ち震えていた
そんな過去の
痛みを背負う
あなたにしか
できないことがある
この世界を照らしてほしい
あの暗がりであなたの落とした涙が
世界の優しさの一粒になれるのだから
この輪廻
支え合う愛の世界
創られたる天のぬくもり