【natsuさん】ミスチーフ環礁事件とは?
2012年10月26日
【質問】
ミスチーフ環礁事件とは?
【回答】
ミスチーフ環礁領有権を巡り,フィリピンが非武装(のごとき貧弱な軍事力と)平和主義ではやっていけないことを思い知らされた事件.
1995年初頭,フィリピンは驚愕する.中国がミスチーフ環礁に軍事監視施設をいつのまにか建設していることを知ったからだ.
1995年まで,南シナ海での衝突は,いずれも中国とヴェトナムによるものだった.だから大半の西側アナリストは,中国政府は南シナ海での軍事行動を,当時,国際社会で孤立状態にあったヴェトナムだけに限定していると思いこんでいたのだった.
1995/2/8,フィリピンは中国に艦艇撤収を要求する.
中国はこれに返事して曰く,
「あれは漁船の避難施設です.軍事施設なんかじゃありませーん」
「じゃあ,ホントにそうか調査してやる!(怒)」
フィリピンは調査船団を派遣したが,中国海軍によって追い返されてしまう.
フィリピンには中国軍部隊を締め出す軍事力はなかった.※
最初,フィリピンはアメリカに泣きを入れた.米比間には1951年に締結した米比相互防衛条約がある.この条約に基き,支援してくれ,と.
だが,アメリカからは,スプラトリー諸島は同条約の範囲外であるとして,これを断られてしまう.軍事援助と訓練拡大には応じてくれたが.※2
じゃあ,ということで,次にASEANにフィリピンは泣きを入れた.
同年7月,ASEANは南シナ海における武力行使を非難した.
中国は話し合いに応じると答えた.
話し合いは今も続いているが,環礁は占領されたままだ.
それどころか,1998年には軍事施設を拡充し,さらに,フィリピン寄りの島々でもプレゼンスを強めている.
フィリピンは僅かに,同国の哨戒艇が中国漁船に衝突して沈没させただけだ.
詳しくは,Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.183-186を参照されたし.
なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事.
※今もない.戦闘機が一時的に一機もなくなってしまったくらいに.
Chinese Navy FAQ|軍事板常見問題&良レス回収機構 (via petapeta)
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アマミキョの感想:
このような事実を客観的に論じる土壌をもっとつくらないといけないと思います。
親中や嫌中ではなく、淡々と事実を分析し、事実に基づいて、傾向や対策を論じることが必要なのではないでしょうか。
過去おきた事実を意図的にふれないようにしている報道姿勢が目立つように感じます。

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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 17:43│Comments(0)
│natsu さん
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