『異質な視点も持っておこう』(ヘラトリ)
2012年02月07日
★☆*+★☆*+★☆*+
未来を開拓する精舎、
北海道正心館
★☆*+★☆*+★☆*+
『世界の目を醒ますヘラトリ・トピックス』
(第35号)
『異質な視点も持っておこう』
2/6付けの英紙フィナンシャル・タイムズが、大変興味深い記事を掲載していた。
アメリカにロバート・ケーガンというネオコン(新保守主義)の急先鋒の論客がいて、当然のことながら、イラク戦争(米軍によるイラク侵攻)を牽引した人物なのだが、何と、オバマ大統領が、1/24の議会における
「一般教書演説」の中で、同氏の最新論文
"The World that America Made"
(『米国が作った世界』、今月出版予定で邦語未訳)
を引用して同氏を高く評価したのみならず、ホワイトハウスの会議では、しばしば同書を読み上げては、「絶賛している」というのである。
このロバート・ケーガンという政治評論家は、自らの著作の中で、「軍事力で世界に平和をもたらそうとするアメリカ」と、そういうことに「もはや関心を失ってしまったヨーロッパ」を比較して、
「両者の世界観の違いは、アメリカ人が"金星人出身"であるのに対し、欧州人が"火星人出身"だからだ」という面白い表現をする人で、ネオコンの人が「宇宙人の話題を持ち出す」だけで、それはそれで、かなりの凄味と真実味があって、これだけで十分ワン・テーマになるのだが、今日の本題からは外れるので、それはひとまず置くにしても、
自らは、イラク戦争のことを「無意味な戦争」と断じて批判していたオバ大統領が、なおかつ、前回の大統領選挙で政敵となったジョン・マケイン(共和党)の外交顧問を務めたロバート・ケーガンを、よりによって、
"年頭所感の「一般教書演説」で高く評価した"
という構図には、多くの人が驚いたのは、間違いないだろう。
もちろん、この"大いなる変身"には、疑問の目がつきまとうのが世の常で、フィナンシャル・タイムズ紙も、「政治家にはつきものの、反対派の取り込みかもしれない」とコメントはしているが、
最近の大川隆法総裁の霊言(『北朝鮮・終わりの始まり〜金正日・金正恩の霊言〜』その他)に出てくる「オバマ・コメント」を聴き続けている人ならば、「あながちリップ・サービスばかりとも言えない」
というのも、お分かりになるだろう。
「北朝鮮のような国の核保有(使用)を止めるには、こちらから「先制攻撃」する以外に、最終的には手段はないのだ」
と、2003年頃から繰り返し発言していたケーガンのことを、この時期になって、オバマ大統領が「高く評価し始めた」意味は、よく考えておく必要がある。
共和党候補の"軽さ"と批判されていること
こういうときは、「客観的情報(データ)から、事態を照射してみる」というのも、一つの手である。
本日(2/7)配信のロイター電によると、「(米ワシントン・ポスト紙とABCニュースが共同実施した世論調査によると)大統領選が、オバマ対ロムニーになった場合には、51対45でオバマが勝ち、オバマ対ギングリッジになった場合には、54対43で、やはりオバマが勝つ」と報じた。
(現時点(午後八時半)で日本の新聞は、まったくこれを報道(速報版)していないので、明日の朝刊にこれが載るかは、ややあやしいが(或いは、結構「ヘラトリ」も影響力があるようなので、本稿がオフィシャル・サイトにアップロードされれば、或いは朝刊の紙面が変わるのかもしれないが(笑)。)
いずれにせよ、共和党の候補者が今の顔ぶれに確定してからは、オバマは、その誰に対しても、一貫して勝ち続けているのは、知っておいてよい。)
面白かったのは、「経済問題(雇用創出)に関しては、オバマ対ロムニーの支持率は同率だった」が、「安全保障やテロ問題に関しては、むしろオバマがロムニー(ギングリッジ)に勝っている」という、「一般に思われているのとは逆の反応が出た」という指摘である。
これは確かに分からなくもなくて、ギングリッジは、中東問題に関して、昨年末、「パレスチナ人などというものは、(法的に)存在しないのだ」
(これは「イスラエルの言っていることが100%正しい」という意味で、ユダヤ票を固めるのが狙い)
と発言して、"言葉の軽さ"(大統領として本当にやっていける見識を持っているのか?)に対して、識者から批判が集まった。
一方、ロムニーも、年明けの予備選で、
「私は、敵(イラン)に出会ったら、敵を殺す」
と昂然(こうぜん)と言い放って、強気を見せつけたが、このロムニー発言が、あながち「挑戦する立場での気楽な発言」(超保守層の取り込み狙い)というだけで片付けられないのは、大川隆法総裁の
『モルモン教霊査』を拝聴された方なら、おわかりになるだろう。
ロムニー氏の"国粋主義的傾向"は、「宗教的にかなり根深いものがある」と見ておいた方が、正しいと思われる。
このあたりが、良識派から見ると、"やや危なっかしく"見えて、
「本当に問題解決能力があるのか」と実は見られているところが、この世論調査の結果に反映していると思われるのだ。
重要なのは、
"イランよりも北朝鮮"
ということ
こういうことを敢えて述べているのも、宗教というのは、大きくなればなるほど、かつて中国の天台大師智ぎが、隋の国の皇帝達(煬帝など)に対して抜群のバランス感覚を発揮して、
「どの皇帝に対しても(次々と政権交代しても)、"国師"の立場を保持し続けた」故事に依っているからである。
内政に関しては、相変わらず民主党のオバマ(大きな政府)よりも共和党の候補者達(小さな政府)の方が、政策面で優れているように見える。
しかし、外交に関しては、両者の違いは無くなってきている(or,責任能力という面で見ると、むしろ民主党側が上回り始めているようにすら見える)ことは、この国の未来を預かる者としては、よく知っておく必要があると思う。
日本にとって大切なことは、外交評論家の宮家邦彦氏も指摘しているように、「アメリカが、イランよりも北朝鮮(中国)の問題解決を優先してくれること」である。
そして、今のアメリカは、「両方(イラン&北朝鮮)の問題に同時に対処できる軍事力を、もはや持っていない」
ことを、昨年、新しい「軍事戦略」として正直に"白状"した。
だから、2012年は、かなりの知力戦になるのだ。(了)
未来を開拓する精舎、
北海道正心館
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『世界の目を醒ますヘラトリ・トピックス』
(第35号)
『異質な視点も持っておこう』
2/6付けの英紙フィナンシャル・タイムズが、大変興味深い記事を掲載していた。
アメリカにロバート・ケーガンというネオコン(新保守主義)の急先鋒の論客がいて、当然のことながら、イラク戦争(米軍によるイラク侵攻)を牽引した人物なのだが、何と、オバマ大統領が、1/24の議会における
「一般教書演説」の中で、同氏の最新論文
"The World that America Made"
(『米国が作った世界』、今月出版予定で邦語未訳)
を引用して同氏を高く評価したのみならず、ホワイトハウスの会議では、しばしば同書を読み上げては、「絶賛している」というのである。
このロバート・ケーガンという政治評論家は、自らの著作の中で、「軍事力で世界に平和をもたらそうとするアメリカ」と、そういうことに「もはや関心を失ってしまったヨーロッパ」を比較して、
「両者の世界観の違いは、アメリカ人が"金星人出身"であるのに対し、欧州人が"火星人出身"だからだ」という面白い表現をする人で、ネオコンの人が「宇宙人の話題を持ち出す」だけで、それはそれで、かなりの凄味と真実味があって、これだけで十分ワン・テーマになるのだが、今日の本題からは外れるので、それはひとまず置くにしても、
自らは、イラク戦争のことを「無意味な戦争」と断じて批判していたオバ大統領が、なおかつ、前回の大統領選挙で政敵となったジョン・マケイン(共和党)の外交顧問を務めたロバート・ケーガンを、よりによって、
"年頭所感の「一般教書演説」で高く評価した"
という構図には、多くの人が驚いたのは、間違いないだろう。
もちろん、この"大いなる変身"には、疑問の目がつきまとうのが世の常で、フィナンシャル・タイムズ紙も、「政治家にはつきものの、反対派の取り込みかもしれない」とコメントはしているが、
最近の大川隆法総裁の霊言(『北朝鮮・終わりの始まり〜金正日・金正恩の霊言〜』その他)に出てくる「オバマ・コメント」を聴き続けている人ならば、「あながちリップ・サービスばかりとも言えない」
というのも、お分かりになるだろう。
「北朝鮮のような国の核保有(使用)を止めるには、こちらから「先制攻撃」する以外に、最終的には手段はないのだ」
と、2003年頃から繰り返し発言していたケーガンのことを、この時期になって、オバマ大統領が「高く評価し始めた」意味は、よく考えておく必要がある。
共和党候補の"軽さ"と批判されていること
こういうときは、「客観的情報(データ)から、事態を照射してみる」というのも、一つの手である。
本日(2/7)配信のロイター電によると、「(米ワシントン・ポスト紙とABCニュースが共同実施した世論調査によると)大統領選が、オバマ対ロムニーになった場合には、51対45でオバマが勝ち、オバマ対ギングリッジになった場合には、54対43で、やはりオバマが勝つ」と報じた。
(現時点(午後八時半)で日本の新聞は、まったくこれを報道(速報版)していないので、明日の朝刊にこれが載るかは、ややあやしいが(或いは、結構「ヘラトリ」も影響力があるようなので、本稿がオフィシャル・サイトにアップロードされれば、或いは朝刊の紙面が変わるのかもしれないが(笑)。)
いずれにせよ、共和党の候補者が今の顔ぶれに確定してからは、オバマは、その誰に対しても、一貫して勝ち続けているのは、知っておいてよい。)
面白かったのは、「経済問題(雇用創出)に関しては、オバマ対ロムニーの支持率は同率だった」が、「安全保障やテロ問題に関しては、むしろオバマがロムニー(ギングリッジ)に勝っている」という、「一般に思われているのとは逆の反応が出た」という指摘である。
これは確かに分からなくもなくて、ギングリッジは、中東問題に関して、昨年末、「パレスチナ人などというものは、(法的に)存在しないのだ」
(これは「イスラエルの言っていることが100%正しい」という意味で、ユダヤ票を固めるのが狙い)
と発言して、"言葉の軽さ"(大統領として本当にやっていける見識を持っているのか?)に対して、識者から批判が集まった。
一方、ロムニーも、年明けの予備選で、
「私は、敵(イラン)に出会ったら、敵を殺す」
と昂然(こうぜん)と言い放って、強気を見せつけたが、このロムニー発言が、あながち「挑戦する立場での気楽な発言」(超保守層の取り込み狙い)というだけで片付けられないのは、大川隆法総裁の
『モルモン教霊査』を拝聴された方なら、おわかりになるだろう。
ロムニー氏の"国粋主義的傾向"は、「宗教的にかなり根深いものがある」と見ておいた方が、正しいと思われる。
このあたりが、良識派から見ると、"やや危なっかしく"見えて、
「本当に問題解決能力があるのか」と実は見られているところが、この世論調査の結果に反映していると思われるのだ。
重要なのは、
"イランよりも北朝鮮"
ということ
こういうことを敢えて述べているのも、宗教というのは、大きくなればなるほど、かつて中国の天台大師智ぎが、隋の国の皇帝達(煬帝など)に対して抜群のバランス感覚を発揮して、
「どの皇帝に対しても(次々と政権交代しても)、"国師"の立場を保持し続けた」故事に依っているからである。
内政に関しては、相変わらず民主党のオバマ(大きな政府)よりも共和党の候補者達(小さな政府)の方が、政策面で優れているように見える。
しかし、外交に関しては、両者の違いは無くなってきている(or,責任能力という面で見ると、むしろ民主党側が上回り始めているようにすら見える)ことは、この国の未来を預かる者としては、よく知っておく必要があると思う。
日本にとって大切なことは、外交評論家の宮家邦彦氏も指摘しているように、「アメリカが、イランよりも北朝鮮(中国)の問題解決を優先してくれること」である。
そして、今のアメリカは、「両方(イラン&北朝鮮)の問題に同時に対処できる軍事力を、もはや持っていない」
ことを、昨年、新しい「軍事戦略」として正直に"白状"した。
だから、2012年は、かなりの知力戦になるのだ。(了)
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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 22:33│Comments(0)
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