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中国のインド洋進出を警戒せよ【正論より】

2010年03月16日

Subject: 【正論】杏林大学客員教授・田久保忠衛 中国のインド洋進出を警戒せよ

 2010.3.15 03:20
【正論】杏林大学客員教授・田久保忠衛 中国のインド洋進出を警戒せよ
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100315/plc1003150321001-n1.htm

詰めて言えば、恐ろしいから「見ザル、言ワザル、聞カザル」で通してきたのだろう。
5年前に、当時の前原誠司民主党代表が米国での講演で、中国は経済力を背景に
軍事力を増強しているので「現実的脅威」になっている、と事実を述べただけで、民主
党内で袋だたきに遭った。
 中国には他国を攻撃する「能力」はあっても、侵略の「意図」はないなどと独裁者の
心理を読む千里眼がこの党にはたくさんいるらしく、「中国を脅威と認識するものでは
ない」との結論を出してしまった。国内からはさしたるブーイングも起こらなかったか
ら、お国柄と称するほかない。

 ≪国境で軍の侵犯事件多発≫
 しかし、日本人の大方が観ている国際情勢は夢想の世界であって、大西洋の舞台
はとっくの昔に太平洋へ、さらに、がらりとインド洋へと回転しつつあるのではないか。
すでに舞台の主役である中国とインドの間では熾烈(しれつ)なパワーゲームが繰り
広げられている。中印間の貿易はどの程度増えたとか、両国間では合同軍事演習が
行われてきたとか、首脳会談が何回開かれたといった建前の分析はそれなりに大切
であるが、インドには中国の脅威を肌で感じ、「見たい、言いたい、聞きたい」の危機
意識が朝野に溢(あふ)れている。
 インドの核戦略家で国家安全保障会議(NSC)顧問でもあったブラフマ・チェラニー
氏の発言を借りれば、インド東部のアルナチャール・プラデーシュ州(中国名は蔵南
地区)では毎日のように中国軍の領土侵犯事件が発生しているし、インド洋では「真
珠の首飾り」と称される中国の拠点づくりが着々と進行しており、さながら中国による
インド包囲網が形成されつつある。インド、中国、それに米国が加わって、インド洋は
21世紀の大国によるパワープレーの主要舞台になるとの分析は昨年3月号の「フォ
ーリン・アフェアーズ」誌のトップ論文で米ジャーナリストのロバート・D・カプラン氏が活
写したとおりだ。

 ≪拠点化を狙う「真珠の首飾り」≫
 インド洋に大きく突出したインドは東側にベンガル湾、西側にアラビア海を抱えてい
る。両湾に臨むミャンマーとパキスタンはいずれも不安定な政権だ。インド・パキスタ
ン関係は小康状態を続けているが、依然、揮発性を帯びている。中国は経済、政治、
軍事などいくつもの思惑でミャンマー、パキスタンと結び、インドもまた遠交近攻の計
算があるのか、イランとの関係が密だ。

 「真珠の首飾り」に関しては、本紙の北京とロンドンの特派員記事を興味深く読んで
きたが、中国はインドを除くインド洋諸国に港湾整備などの名目で巨額の投資を続け
ており、これが途上国支援の目的のほかに、中国海軍が利用できる拠点にしようとし
ているのではないかとの疑いが強く持たれているところにことの重大性がある。明ら
かに目にできる「真珠」はミャンマーのシットウエー、バングラデシュのチッタゴン、スリ
ランカのハンバントタ、パキスタンのグアダール港湾だが、これを見るだけでも普通で
はない。

 ≪南シナ海との運河建設にらむ≫
 2月16日付のニューヨーク・タイムズがハンバントタ特電で詳細を伝えている。中国
はスリランカ政府に接近し、2004年のインド洋津波で壊滅的打撃を受けたこの港の
深海港化の建設プロジェクト総額10億ドルの85%を進んで融資し、同じ中国の手で
工事が進められているという。沖合をインド洋シーレーンの大動脈が通る。シットウエ
ー-昆明-重慶間の石油パイプライン建設構想はすでに具体化し、工事は始まって
いる。地理上チッタゴンがどのような意味合いを持つかは明らかだし、ホルムズ海峡
の出入り口にあたるグアダールの戦略的重要性はすでに論じつくされている。「真珠」
はこのほかにも少なくない。

 カプラン氏は、中国政府がタイ南部のクラ地峡を運河化しようと企てているという。2
1世紀の2巨大国、中国とインドは生存するためのエネルギーその他の物資を主に
中東とアフリカから運ばなければならない。インドと違いマラッカ海峡を使用しなけれ
ばならない中国がインド洋と南シナ海を結ぶアジアのパナマあるいはスエズ運河を構
想しないはずはなかろう。
 シンガポールをはじめマラッカ海峡で潤っている国々にとっては死活問題だし、環境
団体の発言力が圧倒的に強くなっている現代でこれが簡単に実現するとは考えにくい。
さりとて、13億人の生存をはかるために中国共産党指導部は常に「平和的
意図」をもって行動するのだと割り切っている国は、日本のほかにはない。
 結論はこうだ。東シナ海で軍事力を背景にした中国の強力な圧力を受けている日本
と、インドは同じ立場にある。米国は、中国との対立を避けつつ、ブッシュ前政権後期
からインドとの安全保障関係を強めている。民主主義、人権、法治を重視する国々は
何をしなければならないか自明だろう。この御時勢に大挙して北京詣でした国会議員
には夢のお話だが。(たくぼ ただえ)


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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 09:54│Comments(0)政治
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