ぽえむん 海
2010年02月12日
海は苦手だった
死にたかった12歳の私を夜の荒波は飲まずに押し返した
どこにも行き場がなくなった私には海は寒すぎた
中学校の制服のまま海をながめていたら
近くでバーベキューをはじめた一団から
ひとりのおねえさんがちかづいてきた
“つらいことがあるのね”
うなづくとおねえさんは
“となりにすわってもいい?”
おねえさんは語りはじめた
鹿児島でOLをしていたこと、職場の同僚にレイプされかけたこと、それから人間不信になり、仕事もできなくなってしまったこと、今、奄美の友人が自分をいっぱいはげましてくれていること。
おねえさんは目に涙をためていた。
私は自分がいじめられていること、両親が険悪なこと、自分はなんのために生きているのかわからなくなっていると、話した。
おねえさんは黙ってきいていた。つらいね、と一言いった。がんばれとも、耐えろとも、おねえさんは言わなかった。
それからバーベキューの友人達のところから、私にお肉とおにぎりをくれた。
いつも朝家をでても学校にいかずお昼ごはんを食べていなかった私には、そのお肉とおにぎりはとても美味しかった。
次の日、また海にいった。おねえさんに会えるかもしれないと思った。
でもおねえさんには、会えなかった。
12月の海はとても寒かった。
海は孤独な自分をつきつけられる。
私の弱さをただ黙って見ている。
南国奄美の海はあたたかいはずなのに、
しかしあの寒さは私には愛だった。
死ぬな、という声がする。
死にたかった12歳の私を夜の荒波は飲まずに押し返した
どこにも行き場がなくなった私には海は寒すぎた
中学校の制服のまま海をながめていたら
近くでバーベキューをはじめた一団から
ひとりのおねえさんがちかづいてきた
“つらいことがあるのね”
うなづくとおねえさんは
“となりにすわってもいい?”
おねえさんは語りはじめた
鹿児島でOLをしていたこと、職場の同僚にレイプされかけたこと、それから人間不信になり、仕事もできなくなってしまったこと、今、奄美の友人が自分をいっぱいはげましてくれていること。
おねえさんは目に涙をためていた。
私は自分がいじめられていること、両親が険悪なこと、自分はなんのために生きているのかわからなくなっていると、話した。
おねえさんは黙ってきいていた。つらいね、と一言いった。がんばれとも、耐えろとも、おねえさんは言わなかった。
それからバーベキューの友人達のところから、私にお肉とおにぎりをくれた。
いつも朝家をでても学校にいかずお昼ごはんを食べていなかった私には、そのお肉とおにぎりはとても美味しかった。
次の日、また海にいった。おねえさんに会えるかもしれないと思った。
でもおねえさんには、会えなかった。
12月の海はとても寒かった。
海は孤独な自分をつきつけられる。
私の弱さをただ黙って見ている。
南国奄美の海はあたたかいはずなのに、
しかしあの寒さは私には愛だった。
死ぬな、という声がする。
Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 01:21│Comments(0)
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