私の好きな話
2010年02月03日
黒田清さんの本にあった話。中三のときに読んだので、なんて本なのかは忘れました。
この方は左翼の大物ジャーナリストだが、社会へむける視線が厳しくもとてもあたたかいんです。これぞ左翼という気持ちいい方。亡くなられたときには本当にショックでした。
ある中学生(だったかな?)の女の子の話。
その子は普通学校に通っていたが、生まれつき片足に重い障がいをもっていて、いつもそれを周りの子達にからかわれていた。
ある日の学級会で、クラスのいじわるな生徒たちから水泳大会の選手にえらばれてしまう。
彼女は足が悪いので、まともに泳ぐこともできない。なのに、たくさんの学校中の生徒やたくさんの父兄の前で、誰よりも遅い自分の姿をさらさねばならない。
彼女は家に帰ると母親に泣きついた。こんなひどいことをされた。もう学校にいきたくない。水泳大会になんてでれないと。
しかし母親は厳しく諭す。あなたの足の障がいなんて関係ない。遅ければ遅くてもいいから、かならず水泳大会にでなさい。逃げてはダメ。
水泳大会の日。彼女は勇気をふりしぼり、大会に参加した。
自分の萎えた素足の片足を見るみんなの視線。奇異。蔑み。嫌悪。
彼女は涙を必死にこらえてスタート台に立った。
競技がはじまった。やはり彼女は誰よりも遅い。当たり前なのだ。重度の障がいでまともに泳げないのだから。
生徒達から大きな笑い声がおきた。保護者達もその溺れているか泳いでいるかもわからない姿に失笑がもれた。
そのとき、彼女ひとりだけのこされたプールに、ひとりの男性が背広姿のままとびこんだ。
男性は学校の校長先生だった。
校長先生は彼女と一緒に泳ぎながら彼女に叫んだ。
「がんばれ!がんばれ!」
プールからすべての笑い声が消えた。静寂のなかに彼女の必死に泳ぐ水音と、校長先生のエールが響く。
あちこちから彼女を応援する声がおきた。
やがて、すべての生徒、父兄、教師が彼女にエールを送っていた。
彼女が校長先生と一緒にゴールしたとき、生徒や保護者、みんなが声をあげて泣いた。
次の日から、彼女へのいじめはなくなったという。
校長先生みたいな人になりたいと、思いました。
この方は左翼の大物ジャーナリストだが、社会へむける視線が厳しくもとてもあたたかいんです。これぞ左翼という気持ちいい方。亡くなられたときには本当にショックでした。
ある中学生(だったかな?)の女の子の話。
その子は普通学校に通っていたが、生まれつき片足に重い障がいをもっていて、いつもそれを周りの子達にからかわれていた。
ある日の学級会で、クラスのいじわるな生徒たちから水泳大会の選手にえらばれてしまう。
彼女は足が悪いので、まともに泳ぐこともできない。なのに、たくさんの学校中の生徒やたくさんの父兄の前で、誰よりも遅い自分の姿をさらさねばならない。
彼女は家に帰ると母親に泣きついた。こんなひどいことをされた。もう学校にいきたくない。水泳大会になんてでれないと。
しかし母親は厳しく諭す。あなたの足の障がいなんて関係ない。遅ければ遅くてもいいから、かならず水泳大会にでなさい。逃げてはダメ。
水泳大会の日。彼女は勇気をふりしぼり、大会に参加した。
自分の萎えた素足の片足を見るみんなの視線。奇異。蔑み。嫌悪。
彼女は涙を必死にこらえてスタート台に立った。
競技がはじまった。やはり彼女は誰よりも遅い。当たり前なのだ。重度の障がいでまともに泳げないのだから。
生徒達から大きな笑い声がおきた。保護者達もその溺れているか泳いでいるかもわからない姿に失笑がもれた。
そのとき、彼女ひとりだけのこされたプールに、ひとりの男性が背広姿のままとびこんだ。
男性は学校の校長先生だった。
校長先生は彼女と一緒に泳ぎながら彼女に叫んだ。
「がんばれ!がんばれ!」
プールからすべての笑い声が消えた。静寂のなかに彼女の必死に泳ぐ水音と、校長先生のエールが響く。
あちこちから彼女を応援する声がおきた。
やがて、すべての生徒、父兄、教師が彼女にエールを送っていた。
彼女が校長先生と一緒にゴールしたとき、生徒や保護者、みんなが声をあげて泣いた。
次の日から、彼女へのいじめはなくなったという。
校長先生みたいな人になりたいと、思いました。
Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 10:03│Comments(2)
│聞きかじり・読みかじり
この記事へのコメント
70年代フォークの 神様、岡林のぶやす の歌を、きかいが あったら、ぜひ、聴いてみてください。 青くさですが、差別と戦う、まっすぐさを、今聴いても、感じます。
Posted by 徹男 at 2010年02月17日 09:51
>徹男さん
岡林信康ですね!実は中学生のときから聞いておりました(笑)
「お父帰れや」「手紙」「モズが枯れ木で」「私達の望むものは」「友よ」「チューリップのアップリケ」は最高級の歌です。
私の考えはやや右よりですが父が共産党員であることもあり、左翼の人々の弱者にむけるあたたかな眼差し、正義を信じる思いが大好きです。
岡林信康ですね!実は中学生のときから聞いておりました(笑)
「お父帰れや」「手紙」「モズが枯れ木で」「私達の望むものは」「友よ」「チューリップのアップリケ」は最高級の歌です。
私の考えはやや右よりですが父が共産党員であることもあり、左翼の人々の弱者にむけるあたたかな眼差し、正義を信じる思いが大好きです。
Posted by アマミキョ
at 2010年02月17日 11:05

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