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ぽえむん「女神伝説」

2011年07月03日

女神は四つの顔を持っているという

四つの顔は女神の四つの性質と力を顕し

それぞれに「陽」と「陰」の気を有する




民には、その女神が誰かはわからなかった。

女神の顔を見ることは禁忌だった。

女神が都におりるときは、人々は顔を伏して迎える。

女神の姿は常に白い御簾の向こうにいた。





人々が生き生きと生活をするその場所で、

女神は普通に買い物をしている。

美しいかんざしを手に取り 憧れの目をもって眺める

果物を買い求め ニコニコと歩く

その粗末な服の女性が

女神だと誰が気付くだろう。





戦が起きたとき、全軍の前に立ち、

龍のうろこのような鎧を身に纏って

戦いの銅鑼を鳴らした長身の

豊かなヒゲの武将が、

男装した女神だったと

誰が気付くだろう。






女神は国民に酒を下賜するのが好きだった

都の祝いの時や祭りの時には、山上の宮から酒がおろされた。

酒は悲しみを癒し、労苦をねぎらう

祭りの太鼓の音が、祭典の笛の音よりも好きだった。





戦のときには自らの血をささげ、天に祈る。

流される血に祈る。

国のために死んだ兵士の血は、

自分の血と一つになる。








女神の涙を

再び流すな

多くの悲しみと共に祈るのだ







栄光のとき

絶望のとき

天はすぐそばにあった。

女神の伝説。

海の底の国のおはなし。




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Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 13:16│Comments(0)ぽえむん
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