ぽえむん「奄美への祈り」
2011年06月24日
雑草だらけの荒れ地に
大きな山車のようなものが天から舞い降りて
キレイな清潔そうな着物をつけた人たちが、
たくさん並んでいた
「食べ物はいくらでもある。みんなここにきなさい」
すると、あちこちから
ボロボロの貫頭衣をつけた人々が集まってくる
キレイな着物の人たちが、山車から台を出し、たくさんの食べ物を台につみあげた。
「さぁ、いくらでもある。遠慮なく食べるがいい」
子供が手を伸ばしたのをきっかけにたくさんの人が群がる。
最初は先を争い、だが、本当にいくら食べても尽きないほどあるとわかれば、やがて泣きながら、笑いながら、口々においしい、おいしい、と食べた。
山車の前に小さな部屋のようなものがあり、そのなかにいる高貴そうな女性が、中から何かを指示している。
すると、キレイな着物の人たちが、今度はこういった。
「あなたたちの親や、兄妹や、仲間で、おなかがすいてる人はいないか。いたら呼んできてほしい、つれてきてほしい」
すると、人々はハッとした顔をして、いろんなところに走っていった。手をとり、肩を貸して、さらに飢えて弱っている人々を連れてきた。
人々は連れてきた仲間に少しずつ食べ物をほぐして食べさせてやり、また少しずつ喉を潤わせた。
高貴そうな女性が、中から指示を出す。
キレイな着物の人たちが、今度はこう言った。
「あそこに湯と新しい着物を用意してある。あそこで身を清めるといい」
いつのまにか幕屋ができており、奥から湯気がたちのぼっていた。
まず男達がいって安全をたしかめ、次に母子がはいった。そしてみんなが順番に列をつくった。
なかにはキレイな着物の人たちが袖をまくりあげており、一緒に背中を流し、女の髪を梳ってくれた。
キレイな着物の人たちが着けているものよりは幾分シンプルだが、それでも今まで着たこともないような真新しい、良い匂いのする着物に、男達は驚き、女達もこども達も歓声をあげた。
また山車のなかの高貴そうな女性が指示をした。
キレイな着物の人たちが身を清め幕屋から出てきた人々に言った。
「あなた達の親や兄妹や敵が眠るところに案内しなさい」
人々は不安げに顔を見合わせたが、見違えるほどに美しく健康になった互いの姿を見て、うなずき合った。
案内されたところはさらに荒れ果てた場所で、あちこちに土盛りがあった。
土盛りからは、うめき声やすすり泣く声が聞こえていた。
山車の中から、高貴そうな女性が指示をだした。
キレイな着物の人たちの数人が袖をまくりあげ、櫂のようなものを手にもっていた。
「安心しなさい。私たちはあなた達を助けにきたのだ」
土盛りを崩すと、不安げに遠巻きに眺めていた人々から悲鳴があがる。
さらに土盛りを掘り返すと、中から真っ黒になったたくさんの人々が一人、また一人と掘り出された。
キレイな着物の人たちは、いつのまにかすぐちかくに幕屋をつくっていた。
交代でキレイな水をしめらせた布で顔をふいてやり、キレイな水で口を濯がせてやり、戸板のようなものにのせて幕屋につれていき、さらに介抱する。
中から、バラバラになった体や手足や骨がでてきた。
キレイな着物の人たちが「痛かっただろう。これでもう大丈夫だ」と丁寧に霊薬をぬると、それらは傷だらけで弱った人々に姿を変えた。
復活した人々は、介抱をうけながら泣き出した。それを見た人々は、ついに自分たちも泣きながら駆け寄った。
さきほどまでバラバラの手足だった母親に抱きついて泣くこども。
先を争って櫂のようなものであちこちの土盛りを次々に壊して掘り出していく男たち。
掘り出された人々に、キレイな着物の人たちの教えを乞うて同じように介抱する女たち。
罪人の土盛りも掘り返した。すると中からは黒く小さくやせこけた異形の者達がでてきた。
キレイな着物の人たちはそれらに言った。
「あなたがたは、自らの罪を認め、悔いるまで、ここにまじわることはできない。」
異形の者達は近づいてこれず、丸くにごった目で介抱される人々を眺めていた。
数人の異形の者が、自らの子孫が復活する姿をみて改心し、人の姿にかわった。
子孫にひざまずき、泣きながら自分の不徳を詫びた。
高貴そうな女性は微笑んでいた。
また、何かを指示した。
大きな山車のようなものが天から舞い降りて
キレイな清潔そうな着物をつけた人たちが、
たくさん並んでいた
「食べ物はいくらでもある。みんなここにきなさい」
すると、あちこちから
ボロボロの貫頭衣をつけた人々が集まってくる
キレイな着物の人たちが、山車から台を出し、たくさんの食べ物を台につみあげた。
「さぁ、いくらでもある。遠慮なく食べるがいい」
子供が手を伸ばしたのをきっかけにたくさんの人が群がる。
最初は先を争い、だが、本当にいくら食べても尽きないほどあるとわかれば、やがて泣きながら、笑いながら、口々においしい、おいしい、と食べた。
山車の前に小さな部屋のようなものがあり、そのなかにいる高貴そうな女性が、中から何かを指示している。
すると、キレイな着物の人たちが、今度はこういった。
「あなたたちの親や、兄妹や、仲間で、おなかがすいてる人はいないか。いたら呼んできてほしい、つれてきてほしい」
すると、人々はハッとした顔をして、いろんなところに走っていった。手をとり、肩を貸して、さらに飢えて弱っている人々を連れてきた。
人々は連れてきた仲間に少しずつ食べ物をほぐして食べさせてやり、また少しずつ喉を潤わせた。
高貴そうな女性が、中から指示を出す。
キレイな着物の人たちが、今度はこう言った。
「あそこに湯と新しい着物を用意してある。あそこで身を清めるといい」
いつのまにか幕屋ができており、奥から湯気がたちのぼっていた。
まず男達がいって安全をたしかめ、次に母子がはいった。そしてみんなが順番に列をつくった。
なかにはキレイな着物の人たちが袖をまくりあげており、一緒に背中を流し、女の髪を梳ってくれた。
キレイな着物の人たちが着けているものよりは幾分シンプルだが、それでも今まで着たこともないような真新しい、良い匂いのする着物に、男達は驚き、女達もこども達も歓声をあげた。
また山車のなかの高貴そうな女性が指示をした。
キレイな着物の人たちが身を清め幕屋から出てきた人々に言った。
「あなた達の親や兄妹や敵が眠るところに案内しなさい」
人々は不安げに顔を見合わせたが、見違えるほどに美しく健康になった互いの姿を見て、うなずき合った。
案内されたところはさらに荒れ果てた場所で、あちこちに土盛りがあった。
土盛りからは、うめき声やすすり泣く声が聞こえていた。
山車の中から、高貴そうな女性が指示をだした。
キレイな着物の人たちの数人が袖をまくりあげ、櫂のようなものを手にもっていた。
「安心しなさい。私たちはあなた達を助けにきたのだ」
土盛りを崩すと、不安げに遠巻きに眺めていた人々から悲鳴があがる。
さらに土盛りを掘り返すと、中から真っ黒になったたくさんの人々が一人、また一人と掘り出された。
キレイな着物の人たちは、いつのまにかすぐちかくに幕屋をつくっていた。
交代でキレイな水をしめらせた布で顔をふいてやり、キレイな水で口を濯がせてやり、戸板のようなものにのせて幕屋につれていき、さらに介抱する。
中から、バラバラになった体や手足や骨がでてきた。
キレイな着物の人たちが「痛かっただろう。これでもう大丈夫だ」と丁寧に霊薬をぬると、それらは傷だらけで弱った人々に姿を変えた。
復活した人々は、介抱をうけながら泣き出した。それを見た人々は、ついに自分たちも泣きながら駆け寄った。
さきほどまでバラバラの手足だった母親に抱きついて泣くこども。
先を争って櫂のようなものであちこちの土盛りを次々に壊して掘り出していく男たち。
掘り出された人々に、キレイな着物の人たちの教えを乞うて同じように介抱する女たち。
罪人の土盛りも掘り返した。すると中からは黒く小さくやせこけた異形の者達がでてきた。
キレイな着物の人たちはそれらに言った。
「あなたがたは、自らの罪を認め、悔いるまで、ここにまじわることはできない。」
異形の者達は近づいてこれず、丸くにごった目で介抱される人々を眺めていた。
数人の異形の者が、自らの子孫が復活する姿をみて改心し、人の姿にかわった。
子孫にひざまずき、泣きながら自分の不徳を詫びた。
高貴そうな女性は微笑んでいた。
また、何かを指示した。
Posted by アマミちゃん(野崎りの) at 09:00│Comments(2)
│ぽえむん
この記事へのコメント
なんとなく、泣ける。
Posted by tairon at 2011年06月25日 03:14
なんとなく
光景が目に浮かんできます!
息をのんでしまいます
光景が目に浮かんできます!
息をのんでしまいます

Posted by 奄美三世 at 2011年06月26日 11:40
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